タスクは「走りながら考える」前に考えるから、上手くいく

タスク管理は仕事にとりかかる前にタスクリストを作成する。そしてタスクリストに書いてある順番通りに、タスクを処理していく(以下は僕が愛用しているTaskChuteの画面だ)。

これはすなわち、まず仕事の作戦を練る(タスクリストの作成)。その後に行動に移す(タスク処理)。

作戦と行動を分離している。実はこの分離が、仕事の効率に大きな影響を与える。

なぜか。今日はこのテーマで行ってみようと思う。

さあ、今日も早速いってみよう!!!

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「走りながら考える」では上手くいかない理由

あなたは仕事を始める前に、仕事の進め方(段取り)を考えているだろうか。目の前の仕事を一通り確認し、どのタスクをどのような順番で処理するか、だ。

それともとりあえず、目の前の仕事を始めるだろうか。そのタスクが終わってから、次どのタスクに着手するか考える。「走りながら考える」スタイルで仕事を進めているのだろうか。

「走りながら考える」。これは、作戦と行動を分離していないことになる。この状態で仕事を進めるとどんな悲劇が生まれるか。あなたはもう気づいているのではないだろうか。

例えば今、目の前にいくつかのタスクが広がっている。

来年度の経営方針の企画書を練るタスク(これは、重いタスク・・!)。いつもの、ルーティンタスク(これは毎日必ずやらなければならない)。そして機械的にこなすことが可能な、経費処理等の作業タスク。

想像してみてほしい。あなたはどのタスクから手をつけるだろうか。おそらく、ルーティンワークだろう。少なくとも経営方針の企画書ではないはずだ。

作戦を練らないあなたはタスクが一つ終わる度に、次にどのタスクに着手するか、決めなければならない。そして、ほとんどの場合、ルーティンタスクか作業タスクに手が伸びるだろう。

その理由はあなたが意思が弱いからではない。のび太と似ているからでもない。脳のエネルギーの問題なのだ。

重いタスクにとりかかるには、脳のエネルギーをかなり消費する。だから脳は先送りを選択するのだ。
タスクの先送りの理由を知ること。そして先送りを認識することが大切な理由 | いつでも スタオバ!!!

そう考えると企画書を作るという重要なタスクは、どうなるか。そんなに難しい問題ではないだろう。企画書のタスクは夏休みの宿題と同じ宿命をたどることになる。

やっつけ仕事となるこの仕事では当然、良い成果は出せない。あなたの今季の人事評価はもう決まった。最悪だ。

走りながら考えることは、何も考えずに仕事をすることと等しい。そしてお分かりの通り、これが良い結果を生み出すことはないのだ。

作戦を練らないと起こる、とんでもない事態

「走りながら考える」のもう一つのデメリット。それは、仕事に計画性がなくなること。それにより、仕事の効率が著しく悪化することだ。

例えば、100人が出席するミーティングをあなたが主催することになった場合。

いつでもスタオバ君のように、作戦を練るタイプであれば、おそらく以下のように最低限タスクをプロジェクト化するであろう。

・ミーティングで議論したいことを列挙する。
・資料を作成する。
・資料を100部印刷する。

しかしあなたが走りながら考える人の場合。まずこの仕事自体は夏休みの宿題化するだろう。その結果、まず会議前日くらいにこのタスクに着手することになる。

そしてそんなあなたが大概失敗するところ。それは「資料を100部印刷する」のところだ。なぜか。

あなたは資料を作成するまで、「資料を100部印刷する」というタスクがその先にあることを見通せていない。

するとどうなるか。会議を明日に控えた夜。資料作成は何とか間に合ったとする。しかし、その時点であなたはとんでもないことに気付く。

そう、資料を100部印刷しなければならないのだ。会議は明日の早朝。あなたはどうすればいいのか。

いつでもスタオバ君は余裕を持ったスケジュールで取り組んだので、事前に事務員に資料の印刷をお願いしている。

彼の場合、資料を100部印刷するというタスクは、事務員にお願いする5分で終わりだ。事務員にスマイルを提供して、タスク完了というわけだ。

しかし資料作成がギリギリとなってしまったあなた。どうすればいいのだろうか。今更事務員さんには頼めない。せっかく毎朝入れてくれるコーヒーを、明日は顔にかけられてしまいそうだ。

そう、自分でやるしかなくなるのだ。本来5分で終わっていた仕事に、1時間以上かかることになったりする。
こんなに仕事の効率が悪い話はない。

そしてあなたはつぶやく。「始めから仕事の段取りを考えていれば・・」。

そう、作戦を練るという少しの時間を使わなかったばかりに、多大な時間をロスすることになったということわけだ。

そんなあなたは会社から、帰れま10。決定だ。

タスク管理で身につく、作戦を練る習慣

タスク管理をしていると、まず毎朝、タスクリストの作成で仕事の進め方の作戦を練っている。
あなたはなぜタスクリストを作るべきなのか | いつでも スタオバ!!!

そして、タスクの先送り防止も兼ねて、重いタスクはプロジェクト化する習慣もできている。

そう、タスク管理をやっていると、自然とタスクにとりかかる前に作戦を練るようになるのだ。

これもタスク管理の大きなメリットの一つ。仕事の効率が劇的に変わっていく理由の一つには、こういった点もあるのだ。

まとめ

僕達は忙しいと、ついまず目の前の仕事に反射的に取りかかってしまう。その結果、無意識に脳のエネルギーを使わない仕事に手を伸ばし続けてしまうのだ。

その結果何が起きるか。そう、タスクの先送りだ。

だからこそ、我々は行動する前に、どういった順番で仕事を進めていくか、考えることが大切なのだ。

そして作戦と行動を分離すべきなのは、一つの仕事を進める時も同じである。

いきあたりばったりで仕事を進めると、仕事に重大なモレがあることに後で気づいたりする。余計な手間がかかってしまうことが多い。

始めに何をするかタスクを洗い出しておけば、段取り良く仕事を進めていくことが可能となる。

作戦を練らずに走り出すことは、何も考えず行動しているのと同じなのだ。だからこそ、何か行動をする前に立ち止まって考えることが大切なのだ。

考えて、行動する。そしてまた考えて、行動する。タスクを進めるにあたってはこのサイクルがとても大切なのである。

そしてタスク管理を始めれば、このサイクルを当たり前のように毎日こなしていくようになる。そして、習慣化する。

タスク管理であなたの仕事が効率化する理由は、ここにもあるのだ。

明日机に座ったら。いきなり仕事を始める前に少し仕事の段取りを考えてみてはいかがだろうか。

その日の仕事が上手くいくか、いかないか。決めるのは、あなただ。

ということで、参考にしてほしい!!!

タスク管理のおかげで作戦を練る習慣ができたいつでもスタオバより

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この記事を書いた人

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滝川 徹

「30分仕事術」考案者。Yahoo!ニュースやアゴラに記事掲載多数の現役会社員。作家。タスク管理の専門家・セミナー講師。

1982年東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけに独学でタスク管理を習得。2014年に組織の残業を削減した取り組みで全国表彰。2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。

時間管理をテーマに2018年に順天堂大学で講演を行うなど、セミナー講師としても活動。受講者は延べ1,000名以上。月4時間だけ働くスタイルで4年間で500万円の収入を得る。著書に『細分化して片付ける30分仕事術(パンローリング)』他。

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