あなたが早く帰れない理由は他にある

タスク管理の技術が向上すると、自分の仕事の効率は向上する。しかし、それだけでは労働時間の削減に繋がらない。このことは、以前エントリーに書いた。

しかしもし、あなたがサラリーマンなら。あなたが劇的に労働時間を削減するために、向き合わなければならない課題が他にもある。

それは、職場の雰囲気というか文化だ。

周りのメンバーが残業している中、自分だけ毎日定時に「お先デス!」と颯爽に帰る。

これには相当強いハートが必要だ。少なくとも僕にはできなかった。今でも毎日定時に帰ることは、僕自身できていない。

しかし、地道な取り組みの結果、僕は職場の風土を少しずつ変えることに成功した。その結果、劇的に労働時間を減らすことができた。

今日はどのようにして、組織の文化を変えたのか。そして本当に必要なものは何なのか。今日はこのテーマで行こうと思う。

さぁ、今日も早速いってみよう!!!

広告



導入した非斬新な仕組み達

まず、どのような仕組みを導入したか。概要を書こう。

  • 1つ目は、消灯制度。例えば火曜日なら19:00。水曜日なら17:30。

    時間になったらオフィスを消灯する仕組みを導入した。

  • 2つ目は、下着メーカーのトリンプが導入している「がんばるタイム」の導入。

    僕の場合は、時間を1時間にしたり、時間帯を分けたりなど、オリジナルよりは柔軟な制度とした。

以下は同社のHPから引用

しばしばマスコミに取り上げられるトリンプ随一のユニークな制度。毎日2時間(12時30分~14時30分)、コピー・電話・立ち歩き禁止。部下への指示や上司への確認も禁止。自分の仕事だけに集中するための貴重な時間です。「天使のブラ」もこの時間に生まれました。スケジュールどおりに動ける。自分の仕事に集中できると、社内でも好評です。

  • 3つ目は残業をデイリーに管理するためのフォーマットの活用。

    デイリーに自分の残業を把握するための紙を用意。毎日残業時間を記載することで、残業時間に対する意識付けを行った。

いずれの取り組みも、どこかで聞いたことがあるかもしれない。

そう、僕が尊敬する吉越浩一郎さんの取り組みがベースとなっている。消灯制度とがんばるタイムはトリンプの取り組みをほぼそのまま採用している。

それぞれの取り組みで僕が何を工夫したのか。続けて見ていこう。

各取り組みに共通すること

僕が意識して取り組んできたこと。シンプルなことだ。ちょっと見てほしい。

  • 消灯取組については、僕自身が毎日消灯時間に電気を消し続けた。
  • がんばるタイムについては、僕自身が毎日メンバーに取得を促した。
  • 残業管理フォーマットについても、僕自身が毎日全員からフォーマットを回収した。

それぞれの取り組みで共通していること。それは僕自身が主体となって、徹底的に行動したことだ。

それぞれの取り組みに一番必要なものは何なのか。それは「徹底度」なのだ。

消灯は毎日決まった時間に確実に消す。がんばるタイムも確実に機能するまで追いかける。残業フォーマットも毎日回収する。

この僕の徹底度を見て、部下も「どうやらスタオバさんはマジらしい」と感じ取る。そうすると、部下も一度決まったことである以上、付き合わざるを得なくなるというわけだ。

そして正しい取り組みであれば、成果が出る。そうなればシメたものだ。部下が自主的に動き出し始めるのだ。

そして僕自身が動いた理由。なぜ僕は、部下に任せなかったのか。

それは徹底度を維持するには、熱意が必要だからだ。

現状を変えたい。この熱意がなければ、徹底度を維持することはできない。

想像してみてほしい。

毎日メンバーが一生懸命残業している中で、電気を消す時の気持ちを。サディストでない限りは、かなり嫌な気持ちになるはずだ。しかも毎日これを繰り返す。

そう、だから熱意がなければ徹底度は維持できないのだ。気持ちが折れてしまう。

何かを変えたい時は、熱意ある人がリーダーシップを取って行動するしかない。組織のメンバーはそもそも現状を変えたい(残業を減らしたい)と思っていないことが多いのだから。

だからこそ自分が楽をしようと、部下にこの取り組みを任せてはいけない。いずれの取り組みも数週間以内に「無かったこと」になるだろう。

上司が素晴らしいアイデアを思いつき、部下に指示をする。部下は数日間取り組むが、時間と共にその取り組みが風化する。

そんな光景を、あなたもたくさんみてきたはずだ。この会社あるあるの原因は、リーダーの熱意と徹底度の欠如から発生するのだ。

まとめ

世の中に数多くある会社では、目が覚めるような取り組みがいくつもスタートしては、いつの間にか「無かったこと」とされている。

その素晴らしい取り組み達は、なぜ浸透しないのか。

一言で言えば、トップのリーダーシップが欠如しているからだ。そしてこの場合のリーダーシップで必要となるのは熱意と徹底度だと僕は思う。

これは吉越さんがずっと言っておられることだ。僕はようやく、この言葉の意味を理解しつつある。

メンバー全員の残業をゼロにする。

吉越さんが社長だからこそできた面もあると思う。しかし少なくとも、残業を是とする風土を少しずつ変えていくこと。これは管理職でなくとも可能なはずだ。

それは僕自身の経験からも言える。重要なのは諦めないことだ。

あなたも今日から一歩でいい。組織の風土を変えるために動き出してみたらどうだろうか。

イバラの道のその先には、大きな達成感が待っていることを保障しよう。

ということで、参考にしてほしい!!!

諦めたらそこで試合終了だよいつでもスタオバより

関連エントリー

参考書籍

一流の上司、二流の上司: リーダーは「語る」な、「実行」せよ (単行本)
吉越 浩一郎
三笠書房
売り上げランキング: 81,531

新刊 発売

2023/12/18発売 1,760円(税込)

仕事を30分単位で区切ることで先送り・先延ばしをなくし、最速で片づける仕事術

新刊 発売

2024/2/16発売 1,760円(税込)

自分が好きなこと、得意なことがあれば、誰でも講師になれる

この記事を書いた人

アバター画像

滝川 徹

「30分仕事術」考案者。Yahoo!ニュースやアゴラに記事掲載多数の現役会社員。作家。タスク管理の専門家・セミナー講師。

1982年東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけに独学でタスク管理を習得。2014年に組織の残業を削減した取り組みで全国表彰。2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。

時間管理をテーマに2018年に順天堂大学で講演を行うなど、セミナー講師としても活動。受講者は延べ1,000名以上。月4時間だけ働くスタイルで4年間で500万円の収入を得る。著書に『細分化して片付ける30分仕事術(パンローリング)』他。

あわせて読みたい

広告