会社員は人生をあきらめた時、ゾンビと化して時を失う。

先日話をした友人曰く、「30歳〜40歳の記憶がない」という。

「記憶がない」とはどういうことだ?と思ってよくよく話を聞いてみると、とにかく家と会社の往復の毎日だったという。

仕事自体は慣れてしまっていて、そこまで大変ではない。しかし仕事に面白みを感じられるわけでもなく、死んだ魚のような目をして、毎日自宅と会社をひたすら往復するだけの10年だったという。

本人曰く、当時は毎日感情が「無」だったそうだ。

朝起きて、何も考えずに出勤して、仕事が終われば家に帰る。家に帰ればビールを片手にテレビを見て、そのうち寝る。その繰り返し。

これは僕の想像だが、そうして何も感じないように心と感情に蓋をしなければ、とても耐えられない毎日だったのだと思う。

心と感情に蓋をして毎日過ごしていたので、「記憶がない」のだと思うのだ。

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この話には衝撃を受けた。

よく朝、品川を歩いているサラリーマンの集団がゾンビにたとえられるが、「だからなのか」と腑に落ちた。彼曰く、「9割くらいの会社員はそんな毎日を送っているのではないか」と言う。マジか。だとしたら、「この世は本当に地獄だな」と思った。

「さすがに9割は言いすぎじゃね?」と思いつつも、彼の話が本当なら、彼の場合は10年ですんだが、人によっては定年まで「失われた20年」、場合によっては「失われた30年」となってしまうということになる。

友人とそんな話をしていて、血の気が引いていくのを感じた。そんな人生を想像すると、「会社員ってなんなんだろう」といたたまれない気持ちになってしまったのだ。

僕がこの話に衝撃を受けたのは、僕自身「記憶がない」という経験をしたことが(酒を飲んだ時以外に)人生でないからだ。

それは別に、僕の会社員人生がここまで順風満帆だったからではなく(むしろ自分ではそれとはほど遠いと思っている)、僕自身がここまで会社員という立場を通して人生、生き方にさんざん悩み、もがき続けてきたからかもしれない。

おそらくだが、会社員は自分の人生、生き方について悩み、もがくのをやめた時にゾンビになるのではないかと思う。

誰しもが、自分らしく、よりよく生きたいと願っている。その一方、会社員をやっていると、定年を迎えるまで自由に、自分らしく生きることは不可能のように感じる。

この理想と現実のギャップから生まれる葛藤、悩みが本当に苦しい。この苦しみから逃れるために、多くの人が理想を追い求めることをやめてしまうのではないだろうか。

自分の内から聞こえてくる理想、夢を追い求める心の声を無視するために、心と感情に蓋をする。そうして人生をあきらめ、自らその葛藤を終わらせるのだ。

つまり、もっと正確に言えば。人は自分の内から聞こえてくる理想、夢を追い求める心の声を聞くことをやめた時に、ゾンビ化する。心と感情を捨てた人間はゾンビになるというわけだ。

ここでひとつ、朗報がある。ゾンビはいつだって人間に戻ることができるということだ。

実際に例の「失われた10年」を経験した僕の友人は、今ではベストセラー作家になっていて、会社をやめて自分の人生を取り戻す旅をはじめた。

彼自身も「失われた10年」の渦中、自分の人生が将来そんな風に展開していくとは全く想像していなかったはずで、人生は本当に何が起きるかわからない。

そう、人生はいつ何が起きるかわからないのだ。だからこそ、「今会社員だから」という理由だけで、希望を捨ててゾンビのようにこの先の人生を生きるのは、「あまりにももったいない」と僕は思う。

生きていれば、悩むこともある。でもそれは、まだ自分の人生をあきらめていない証拠であり、人間として生きている証だ。

少なくとも僕はこれからも人生をあきらめず、希望をもって生きていきたい。

そう、時を失わないために。

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この記事を書いた人

滝川 徹

1982年東京生まれ。
慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけに独学でタスク管理を習得、2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。

その体験を出版した「気持ちが楽になる働き方 33歳大企業サラリーマン、長時間労働をやめる。(金風舎)」はAmazon1位2部門を獲得。

2018年には順天堂大学で時間管理をテーマに講演を行うなど、講演やセミナー活動を中心に個人事業主としても活動している。
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