インスタにあげた1枚の風景写真がきっかけでシンガポール在住の中国美女と友達になって、あやうく暗号通貨投資詐欺にひっかかりそうになった話

きっかけは、インスタに投稿した1枚の写真からはじまった(ちなみに、以下の写真だ)。

ある日インスタを確認すると、「ここの景色はとても美しくて、とても好きです。ここはどこか教えていただけますか。」という内容のDMが入っていた。

その人物のアカウントを試しに見てみると、モデルのような美しいアジア女性が美しい景色を背景に映っている写真がたくさん投稿されている。フォロー数は80人くらい、フォロワー数は5000人ほど。けっこう多い。

インスタへの投稿数も500近い。それぞれの投稿には毎回コメントも入っている。どうやら怪しいアカウントではなさそうだ。そう感じた僕は、彼女に返信をすることにした。

「この写真は山口県の萩市のどこどこにある旅館で撮影したものです」

このことをきっかけに、つながれたらいいな。そんな淡い期待もあり、「インスタ素敵ですね。モデルのお仕事をされてるのですか?」というメッセージをためしに送ってみた。

運がよければ、返事がくるかもしれない。そんな淡い期待をもちながら、僕はランニングにでかけた。

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数時間後、なんと彼女から返事が。

「私はモデルではありません。なぜそう思うのですか?」

そんな返事からはじまり、彼女とのやりとりはスタートした。

その後話を聞いてみると、彼女はシンガポールに在住の女性(中国人?日本人ではない)で、化粧品販売の会社を2つほど経営している起業家だということがわかった。今では会社の管理は他人に任せているそうだ。つまり彼女はビジネスオーナーであり、毎日自由な時間を謳歌しているという。

すげぇー!!!

そしてさらに話を聞いていくと、なんと東京にあらたな店舗を出店するために、10月東京に来日する予定で、そのために日本語を一生懸命勉強しているのだという。返ってくる日本語が少し変なのはそれだからか。納得した。

その後も何度かやりとりをしていると、「今から移動する」と言って、(車の中に入ったことを示すために)車の室内から車のドアを撮影した写真を送ってきた。

「またあとでね」

おぉ、まだやりとりしてくれるんだ。これは友達になれるかもしれない。期待は膨らんだ。

彼女の名前はアンナといった

「家に着いた」

そんな感じで、またやりとりが再開する。

彼女の名はアンナ(仮名)といった。趣味は旅とフィットネスと読書だという。

オススメの本を聞いてみると、ヘミングウェイの「老人と海」だという。なるほど、名著だ。

趣味が似ていることもあり、アンナへの興味は膨らむばかりだ。年齢こそわからないが、若くしてビジネスオーナーになり、インスタを見ると世界中を旅し、高級そうなホテルやクルーズを楽しみ、おいしい食事を日々楽しんでいるように見える。

彼女は今までどんな人生を歩んできたのだろうか。興味が湧いて仕方ない僕は、彼女がきちんと返事を返してくれることをいいことにどんどん質問をしていった。

アンナが起業家になった驚きの理由

アンナとチャットでやりとりをするのは、とても楽しかった。僕達の話は生き方、働き方にまで及んだ。

「仕事の目的はなんだと思う?それは、人生を楽しむために必要なお金を稼ぐため。必要なお金を稼げたなら、あとは人生を楽しむことが大切よ」

アンナ、そうだよな!僕はアンナの人生観にめちゃめちゃ共感した。

彼女が起業家になったきっかけも聞くことができた。彼女は先生になることを目指していたが、大学生の時友達とリベリアに旅行に行った時、現地の人々の貧しい生活を見て、こうした人達、特に子供達を救いたいと考えるようになり、起業家になることを決意したという。

「貧しい子供達を助けるために、お金を稼ぐの」

「成功した後、社会に還元することを忘れないで」

「他人を助ける精神は大切。でも必ず自分の能力の範囲内で」

アンナはそんなメッセージを送ってきた。僕は控えめに言って感動していた。少なくとも僕のまわりにこんな人はいない。

その後もメッセージをやりとりをしていると、

「暗号通貨をチェックする必要があるので、ちょっと待って」なんて話もでてくる。さすが起業家だな。暗号通貨やってるんだ。

そんな感じで(お互い生活があるので)時折時間を空けつつ、互いのやりとりは続く。次第に、夜も遅くなってきた。僕は「今日はそろそろ寝るね」とメッセージを送り、眠りについた。

運が良ければ、明日もやりとりをできるかもしれない。

翌日も運良くやりとりが続く

「おはよう」とメッセージを送ると、「おはようございます。今ジムから返ってきたところです」と返事があり、またお互いメッセージをやりとりした。

だいぶ仲良くなってきた。これは運が良けれは10月にアンナと会えるぞ。そう期待が膨らむ最中、彼女から次のような話があった。

「もし私達に共通する価値観や考え方がたくさんあれば、東京で会える」

「もしあなたが望むなら、暗号通貨について教えてあげる。そしたら、お互い共通の話題ができ、会った時に気まずくならない」

「ん?」

ここではじめて、僕は違和感を感じはじめた。

BitFlyerに口座を登録したら、なんとご丁寧に投資のやり方を教えてくれるとアンナは言う。

BitFlyer自体は調べてみるかぎり、そんなに怪しい感じはしない。でも、ひょっとしてこれは詐欺なのではないだろうか、、。

試しにググってみると、国際ロマンス詐欺といったワードがでてくる。さらに調べていくと、次のような記事を見つけた。

おいおい。完全に同じ手口じゃないか、、、。

でも正直、今回(アンナ)だけは違うかもしれない。そう信じたい自分がいた。アンナが実在しない人物とは思いたくなかったし、これまでの話が全部作り話なんて。あまりにも悲しすぎるじゃないか。

「真実はいつもひとつ!」

ということで、僕は真相をつきとめるため。詐欺の可能性を念頭におきつつ、そのままアンナとやりとりをすることにした。

真実を追い求めて

僕はアンナが本物(詐欺でないケース)であることに備え、彼女を傷つけないように次のようにメッセージをした。

「似たような詐欺があるみたいだから、君と会って話を聞いて、信頼関係を築かないうちから暗号通貨をはじめることはむずかしいよ」

そのうえで、先程の記事のリンクを彼女に送った。

そうすると、彼女からは「疑ってるなら、投資しなくていい」「この記事はどこで見たの?」という返事が返ってくる。

これは、、、9割方クロだ。なんだよ、「この記事はどこで見たの?」って。シロだったらそんなこと気にしないだろ。

ということで、スイッチが切り替わった僕は、彼女を問い詰めることにした。

「君が実在する証拠を示してほしい」

「君が実在するか、ビデオ通話で話をしよう」

彼女からは「自分の会社は香港の○ホールディングスの一つ」といった、それっぽい返事は返ってくる。でも、僕が納得できるような証拠はでてこない。

「それなら、ビデオ通話をしよう」と提案する。インスタに映っている彼女が画面に映り、話をきちんとすれば詐欺かどうか判別できる自信が僕にはあったからだ。しかし彼女は「電話なんてしたくない」の一点ばりだ。

ちなみにこの辺のやりとりは全て英語で行っている(僕は英語苦手ではないので)。彼女の日本語は拙い。ミスコミュニケーションを防ぐためにも、英語でやりとりすると、自然と向こうも英語で返してくるようになったからだ。

その後のやりとりでも、埒があかない。

「あなたに説明する必要はないわ」

「そうだね」

こうした僕とアンナの夏は終わった。

まとめ

僕とアンナのストーリーはここまでだ。君はどんな感想を抱いただろうか。

「こんなの、すぐに詐欺ってわかるだろw 」と君は感じたかもしれない。でも、これは実際に体験してみるとわかるが、今回の手口は実に巧妙だった。ほんと、ある意味感動してしまったくらいだ。手口のクオリティが非常に高い。

まず、対応している人物のコミュニケーションスキルが高い。やりとりをしていて、アンナが実在することに疑いを持たないくらいアンナの人物設計がしっかりしていた。

僕とアンナ(という想定の人物)は2日間にわたり、かなりの時間、濃密なやりとりをした。僕達の話は生活全般から、生き方、働き方の哲学にまで及んだが、アンナという人物から発せられたメッセージは彼女の人物像(女性起業家など)と全く矛盾しなかった。

実は僕は詐欺を見破る仕事に長年関わってきたもあり、こうした矛盾を見破るのは得意だと自負している。それでも、暗号通貨の投資の話が出てくるまで、アンナに一切の疑いをもたなかった。

これは本当にすごいスキルだ。もしアンナから(暗号通貨の話もなく)「会いましょう」と言われていたら、何も疑問をもたずに会いに行っていた可能性が高い。それくらい、完成度が高い詐欺だった。

「これは騙されてしまう人も多いのではないか」

今僕は強くそう感じている。なので、今回の体験をシェアしておこうと思った次第だ。

もちろん、冷静に考えればモデルスタイルのキレイな美女が、僕のような中年と熱心にやりとりしてくれるはずがない。そんなことはわかっている。でも、人はつい夢を見てしまう生き物だ。

「写真1枚からはじまる運命的な出会いがあるかもしれない」

詐欺はそんなおっさん(おばさん)の心のスキを容赦なくついてくるというわけだ。今回は美女がおっさんを標的にしたケースだったが、イケメンが女性を標的にするケースも当然あるだろう。

僕は幸い結婚していたので踏みとどまれたが、もし独身だったら場合によっては恋愛感情を抱いてしまい、投資に手を出してしまっていたかもしれない。

君には僕と同じように悲しい思いをしてほしくない。それを切に願い、筆を置くことにする。

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この記事を書いた人

滝川 徹

1982年東京生まれ。

慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけに独学でタスク管理を習得、2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成し、およそ7時間の自由時間の創出に成功する。

その体験を出版した「気持ちが楽になる働き方 33歳大企業サラリーマン、長時間労働をやめる。(金風舎)」はAmazon1位2部門を獲得。その後講演やセミナー活動を中心に個人事業主としても活動をスタート。2018年には順天堂大学で時間管理をテーマに講演を行うなど、月4時間だけ働くスタイルで個人事業で4年間で500万円の収入を得る。

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