実はみんな悩んでる–普段あまりおおっぴらに語られない話

僕はいわゆる「再生の物語」が好きだ。

ここ数年の映画で言えば、「はじまりのうた」「幸せへのキセキ」など。

主人公が人生のどん底から意欲を取り戻し、自分の人生を取り戻していく様を見ていると、自分も「がんばろう」と思える。

人生は悪いものではないし、今後きっといいことが待っていると、希望を感じることもできる。

それ以外にも、主人公達が物語の道中で葛藤し、悩んでいる姿を見ることで「人生で悩んでるのは、自分だけじゃないんだ」「みんな悩んでるんだ」と安心する。

そんなセラピーのような癒しを映画を通して得られることに最近気がついた。

人生で悩んでいる時、FacebookをはじめとしたSNSを見ると、人生で悩んでいるのは自分だけのように思えてしまう時がある。

他人が楽しそうに生きている様を見て、現状に悩んでいる自分が惨めに思える。そんな時に、映画の主人公達が人生のどん底を経験し悩んでいる姿を見て、「人生で悩んでるのは自分だけじゃないんだ」と安心するのだ。

そして、そこから自分らしい人生を取り戻していく主人公達の姿を自分と重ねて、僕は人生に希望を見出しているのだと思う。

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こんな話を赤裸々に書いているのは、「実はみんな悩んでいる」ということをあなたに伝えたいからだ。

最近会った友人達も、話をすると口を揃えて過去悩んでいた時期が「10年〜20年はあった」と言う。僕から見て、めちゃめちゃ輝いているように見えていた数年前の時ですら、「実は悩んでいた」とある友人は告白してくれた。

そう、みんなあえて苦しい姿、悩んでいる姿を見せないだけで、実はみんな悩んでいるのだ。

たしかに人生では、「悩みがない時期」がある。何かいいことがあったり、たとえば仕事で昇進したりすれば、しばらくの間はハッピーでいられる。

しかしあなたも知っている通り、そうした幸せは長くは続かない。人間は、すぐに今の幸せに慣れてしまう生き物だ。いつの間にか昇進したことなど自分の中で当たり前となり、忙しい毎日に再び不満を感じるようになる。再び悩む日々が訪れるというわけだ。

このように、人には「悩みがない時期」はたしかにあるが、「常に悩みがない人」なんていない。

人は誰でも「より良く生きたい」と願っている。だからこそ、どんなに成功して幸せそうに生きている人も、心の内には彼(彼女)なりの悩みを抱えているのだ。

みんなわざわざそんな姿をFacebookに投稿しない。それだけのことだ。

「人間はみんな一緒なんだよ」

以前世界的ベストセラー作家のアラン・コーエンと話をした時に、彼はそう僕に語ってくれた。

「僕は世界的に有名なコーチをはじめ、いわゆる成功した人達をよく知っているが、彼(彼女)らが外に発してるメッセージは、彼らの内面と必ずしも一致していない。彼(彼女)らもみな、酒、麻薬、夫婦関係など、それぞれ問題を抱えているんだよ」とも教えてくれた。

安心してほしい。みんな悩んでる。大切なことは、自分だけの「再生の物語」を紡いでいくことなのではないだろうか。

ウジウジ悩んでいてもしかたがない。

まずは、「はじまりのうた」「幸せへのキセキ」を見て、意欲を取り戻すところからはじめよう(いや、本当に素晴らしい映画だから)。

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この記事を書いた人

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滝川 徹

タスク管理の専門家・コンサルタント。Yahoo!ニュース、アゴラに記事掲載。

1982年東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけに独学でタスク管理を習得。2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成し、およそ7時間の自由時間の創出に成功する。

その体験を出版した「気持ちが楽になる働き方 33歳大企業サラリーマン、長時間労働をやめる。(金風舎)」はAmazon1位2部門を獲得。その後講演やセミナー活動を中心に個人事業主としても活動をスタート。

2018年には順天堂大学で時間管理をテーマに講演を行うなど、月4時間だけ働くスタイルで個人事業で4年間で500万円の収入を得る。

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