昔、世界的なベストセラー作家であるアラン・コーエンのセッションを受けた時に、「人はね、みんな一緒なんだよ」と言われたことがある。
その時、どんな内容だったかくわしくは忘れてしまったが、たしか僕は「他人と自分を比べてしまうことに悩んでいる」という話をアランに打ち明けた気がする。
その時アランに言われた言葉が、この「人はね、みんな一緒なんだよ」だった。
続けてアランは、以下のような話をしてくれた。
僕は世界的に有名なコーチやセミナー講師を知っているが、彼らが聴衆に話をしている内容と、彼らの内面で起こってることが一致していないことはしばしばある。彼らは成功して、幸せそうに生きているように見えるかもしれないが、彼らは彼らで、結婚、酒、セックスなどで悩みを抱えているんだよ
アランから言わせれば、だから「みんな一緒」ということだったのだろう。
当時の僕は、この話を聞いて「そうなんだ」とは思ったものの。その時は正直、「腹落ち」しなかったというか、完全にこの意味を理解することができなかった。
そのことがわかるのは、最近になってようやく、アランが言っていたことを僕が理解できたと感じるからだ。
そう。人は基本的になんらかの悩みを抱えながら生きている。それは、どんなに成功して幸せそうに見える人でも同じだ。
そしてこのことを本当の意味で理解できるようになると、自分自身が楽に生きられるようになる。
なぜなら、悩みを抱えてること自体、人としておかしいことは何もなく、人として自然なことだとわかる。悩みを抱えてる自分に対し、「自分に何か問題があるのではないか」とか、自分に欠陥があるような疑念を感じなくなるからだ。
くわしくはこの後書いていくが。悩みを抱えることは人として自然なことであり、それはおかしい状態じゃない。
そのことがわかると、他人に対しても、自分に対してももっとおもいやりをもって接することができるようになる。
悩みを抱えてる他人と、今の自分を受け入れられるようになるんだ。そうすると、ものすごく楽に生きられるようになる(少なくとも、僕はそうなった)。
今日は悩みを抱えてる自分をつい責めてしまいがちな君の気持ちが楽になるような話をしたいと思う。
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ガボール・ラテが語った「真実」
昨日医師であり、トラウマ、依存症の専門家であるガボール・マテがインタビューを受けているYouTubeを見た。
舞台はビジネスカンファレンス(セミナー)で、ガボール・マテは自分自身が昔ワーカホリックであったこと、そして、買い物中毒(音楽CDを買い漁っていたらしい)に陥っていたことを告白していた。
そして、インタビューしていた人も。自分自身が昔、麻薬中毒だったことを告白していた。
そう。この日のテーマは「依存症」だったのだ。
二人の話は非常に興味深かったが、それ以上に僕の印象に残ったのは、この二人の話を聞いた後の質疑応答の時間で、ある女性が、二人に対し語った言葉だ。彼女は、次のように語った。
「正直で、オープンでいてくれてありがとう。真実を話してくれてありがとう。あなたたちのおかげで私達はみな同じなんだって思えて、気持ちが楽になったわ」
この発言を聞いた時、僕はふと冒頭に書いたアランの話を思い出したのだった。
「みな苦しんでる」ことがわかると、気持ちが楽になる。
ガボール・マテは、間違いなく世界的に成功している。そんな人が、過去に依存症に陥っていたこと、そして、今でも人生は決して完璧ではなく、日々自分自身の人生を探求し続けていることを告白してくれたことは僕達に大きな意味をもつ。
それは、誰でも依存症になりうるということ。そして、どんな成功してる人でも、なんらかの悩み、苦しみを抱えながら生きているということがわかることだ。
当日の聴衆の中には、依存症の人もいただろうし、悩み、苦しみを抱えている人が大勢いたことだろう。
そうした人は、ガボール・マテの話を聞いたことで、自分達は決して人として欠陥があるわけではないこと、そして、「自分もこの人達と同じ人間なんだ」と感じることができ、気持ちが楽になったことだろう。
YouTubeを見ていた僕もそんな気持ちになった。
日常生活で「真実」が見えなくなる理由
最近僕は依存症というテーマに興味をもっていて、様々な本やYouTubeで依存症に関する話を聞いているが、依存症を克服した人の話を聞いていると「みんな苦しんでるんだな」ということがよくわかる。
問題は、僕達が日常生活でこのこと(「みんな苦しんでいる」ということ)を感じることができないことだ。なぜなら、(特に日本では)皆が、「自分が苦しんでること」をオープンに語らないからだ。
会社に行けば、誰もが人生に何も問題がないよう平静を装って生きている。
でも僕も君もそうだが、実はみな内面に様々な問題を抱えて生きている。
しかし日本では、そうした悩みをオープンにすることは「よくないこと」とされている。そうして弱みを見せるのは「人として弱い」、「情けない」という空気がある。
だからみんな自分が悩んでることをまわりにあまりオープンに話そうとしない。だからこそ、「みんな悩んでる」という「真実」に、僕達は気がつくことができないのだ。
成功すれば悩みがなくなるという「幻想」
そうして「真実」に気がつけないと、僕達に何が起きるか。
悩みを抱えている時、悩んでるのは「自分だけ」のように思えてくる。
自分「だけ」が、欠陥のある人間に思えてくる。
FacebookやInstagramを見れば、みんなの幸せそうな姿ばかりが目に映る。
なおさら、悩んでるのは自分だけと感じる。
自分だけが悩みを抱えているように感じる。孤独感を感じる。
さらによくないことに。
いわゆる成功してる人達も、わざわざ悩んでる姿、葛藤する姿を見せない。
そうすると、僕達はどんなメッセージを受け取るだろう?
それは、「成功さえすれば、悩みがなくなる」というものだ。
成功さえすれば、人生が完璧になる。そう僕達は思いこむようになる。
少なくとも、昔の僕はそう思いこんでいた。
しかし、成功すれば悩みがなくなるなんて幻想なのだ。それは依存症になった人のインタビューを見ればよくわかる。
たとえばRich RollのYouTubeやPodcastを聴けば、成功したのに深刻な依存症に陥った人がたくさん出演している。
そう。真実は、「みんな悩んでる」「みんな同じ」ということなのだ。
悩みとともに生きていくことを「受け入れる」
成功してるように見えるあの人も、会社の同僚も、友人も。
みんな何かしらに悩んでいる。
もちろん僕だってそうだ。
だから人生で悩むこと、悩みがあることは「おかしいこと」じゃない。
人間は悩みを抱えていることが「ふつう」なのだ。
そう、基本的に人生では悩みがなくなることはない(さとりを開いたら別かもしれないが)。
だからこそ、大切なのは、悩みがあることをふつうと考え、悩みとともに生きていくことを受け入れることなのだ。
真実を知ることが、僕達の気持ちを楽にする。
悩みがない状態がいつか訪れる。完璧な人生を手に入れることができると思うと、悩みを抱えてる今の人生が「不完全」だと感じ、不幸せだと感じる。
そうではなく、悩みがある人生が当たり前だということをただ受け入れればいい。
たとえどんなに成功しても、悩みと無縁になることはない。悩みがある生活は今後も続くし、悩みと無縁になることはない。
このことに気がつくことができれば、人生に完璧を求めなくなる。
そうすると、「今(の人生)」に何も問題がないことに気がつく。
今の自分の人生で十分幸せだと気がつくことができるようになる。
僕達が今の状態(悩みがある状態)が不幸せだと感じるのは、今より良い状態があると思いこんでいるからだ。
たしかに人生では、悩みがない時期はある。でも、「ある時から悩みを一切感じなくなる時がくる」なんてことは悟りを開かないかぎり訪れないのだ。
こうした「真実」を理解することができた時、僕達の心に平穏は訪れる。
今の状態になんら問題がないことがわかるからだ。
そう。「悩みがあって当たり前」と腹の底から思えるようになれば。
結果的に気持ちが楽になり、幸せに生きていけるようになる。
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