僕自身昔はあまり重要視してなかったが。最近仕事における「他人からのフィードバック」が、いい仕事をする上で「必要不可欠」と感じるようになった。
たとえば最近だと、もうまもなく完成しようとしている僕の新しい本。
実はこの本は半年ぐらい前に一度書きあげていた。しかし素晴らしい友人達からのフィードバックのおかげで、(自分で言うのはなんだが)素晴らしい作品に仕上がってきている気がしている。
そう考えると、(今思えばだが)最初の原稿はイマイチだった。
もちろん、「素材」は今とほとんど変わらない。しかし友人達からの率直なフィードバックのおかげで、僕の本はどんどん磨かれていったのだ。
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フィードバックで仕事は磨かれる
幸い僕の原稿を見てくれた友人達は率直な意見を述べてくれた。
逆の立場になるとわかるが、通常友人だったりすると、率直なフィードバックを伝えるのは時にむずかしい。
誰でも、嫌われたくない。「おもしろかったよ」と一言言えば、それで友人関係は保たれる。
しかしもし君が本当にその友人のことを思うなら。(言葉を選ぶ必要はあるが)率直なアドバイスを友人に与えてあげることだ。なぜなら、それがその友人が本当に求めていることだからだ。
実際僕はそうだったし、ありがたいことに僕の友人は率直なフィードバックをくれた。
彼(彼女)らは「ここの部分が読むのに苦労した」とか「ここの部分でつまづいた」とか。そういった細かいフィードバックをくれた。
そうしたフィードバックを原稿に反映させることで、原稿を改善することができた。読者がつまずくであろう部分を僕は先回りして、対処できるようになったのだ。
これをくりかえすことで、今の僕の原稿は読者が躓かずに最後まで読める本に仕上がりつつある。
フィードバックの「真の目的」
こうしたフィードバックの重要性は別に本を作ることに限った話ではない。どんな仕事にも通じる話だ。
たとえば仕事でセミナーや勉強会をするのであれば。いわゆる「事後アンケート」を通して受講者からフィードバックをもらうことはとても重要だ。
たしかに自分の評価を他人からもらうのは気持ちいいものではない(誰でも悪い話は聞きたくない)。
しかし誤解されているが、アンケートの目的は自分の評価をもらうためではない。
アンケートをとることで、一体何が受講者に響いたのか。何が響かなかったのか。それを確認することが真の目的なのだ。
そうすることで(長期的に見れば)受講者が満足できる講座、つまり「いい仕事」ができるようになるのだ。
大舞台でいい仕事をする秘訣
このことについてもう少し説明しよう。
昨日読んだ「サイコロジー・オブ・マネー――一生お金に困らない「富」のマインドセット」でアメリカの有名なコメディアンのクリス・ロックが未だに小さなクラブで何十回も登壇している話が書かれていた。
彼はテレビでいつも最高で完璧なジョークを飛ばす。 その秘訣が、実は小さなクラブでの登壇に隠されていた。
どういうことかと言うと。彼はいつも新しいネタを小さなクラブで試すという。
新しいネタは全て顧客にウケるわけではない。顧客にウケるものもあれば、顧客にリアクションがイマイチのものもあるという。
彼はそうして実際に小さなクラブで新しいネタを試してみて、顧客の反応が良かったものだけを厳選してテレビという大舞台で披露しているのだ。
だからこそテレビという大舞台で大爆笑を獲得できるというわけだ。
どんなすごい人だって、何が他人に響くのかなんてわからない
クリス・ロックは以下のように語っている。
小さなクラブでのステージは今でもやってるよ。ツアーを始めるとき、最初から大勢の客が入るアリーナでステージを始めるわけではないんだ。前回のツアーのときも、まずニューブランズウィックにある「ストレス・ファクトリー」というクラブで40〜50回ほどライブをした。ツアーの準備のためさ。
このことから何がわかるだろう?
それは、どんなすごい人だって何が他人に響くのか。「わからない」ということだ。
だからこそ、僕達がいい仕事をするために必要なのは、他人からのフィードバックをもらい、自分の仕事の質を向上させていく(ブラッシュアップしていく)ことにほかならない。
他人から評価を受けることは気持ちいいものではない。しかしそれなしでは、「いい仕事」はできないということだ。
ちなみにクリス・ロックの話を引用した以下の本はめちゃめちゃオススメなので、興味があったらぜひチェックしてみてほしい。
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