長時間労働で悩んでいた頃の僕がどうしても知りたかった、仕事を断る具体的な方法

仕事を断ることが大切なのはわかった。次は、仕事を断る「具体的な方法」が知りたい。

これが、長時間労働していた頃の僕の、最も知りたかったことでした。

今日は長時間労働から「残業ゼロ」へ変わった現役会社員の立場から、仕事を断る具体的、かつ、実践的な方法について書きたいと思います。

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まず、「仕事を断れないメカニズム」を理解する

仕事を断るテクニックについて書かれた本は数多くあります。にもかかわらず、なぜ多くの人がそれを実践できないのでしょう?

それは、多くの人が仕事を断ることに「罪悪感」を感じ、けっきょく「仕事を断る」を実践できないからです。

仕事を断ったら「上司や同僚に悪いな」 と感じたり、自分が仕事をサボってるような感覚を覚えますよね。

多くの人が仕事を断れない理由はここにあります。どんなにテクニック(仕事を断る「言い回し」)を学んでも、「罪悪感」という心理的なハードルを乗りこえない限り、そのテクニックを使うまでに至らないのです。

ではどうやったらこの「罪悪感」という心理的ハードルを乗りこえることができるようになるのでしょう。

そのためには、考え方を変える必要があります。

具体的には、今のあなたの「仕事を断ることは悪いこと」という考えを、「仕事を断ることは悪いことではない」「仕事を断ることは(仕事の)プロとして当たり前」という考えに変えることです。

仕事を断ることが「正しい選択だ」と思えれば、罪悪感は感じない

たとえばあなたが営業の仕事をしているとしてしましょう。そしてあなたは今、売上実績がナンバーワンのトップセールスの営業マンの立場にいることを想像してみてください。

その時、上司や同僚から売上につながらなそうな、たとえば事務仕事を依頼されたとします。あなたはその仕事を引き受けるでしょうか?

おそらく、引き受けないですよね。罪悪感も感じないはずです。

なぜこのケースは罪悪感を感じないのでしょう。

それは、このケースにおいて、仕事を断ることがビジネスマンとして「正しい選択だ」ということを本能的に理解してるからなのではないでしょうか。

どういうことか?もう少し細かく説明していきましょう。

「この仕事は自分が引き受けるべきなのか」という視点を常にもつ

(引き続きあなたがトップセールスの営業マンの立場にいることを想像しながら、この先を読み進めていってください)

たとえば、先程のケースで上司や同僚から頼まれた仕事が1時間ぐらいかかる事務仕事だったとしましょう。

その仕事を依頼されたあなたは、きっと次のように考えるはずです。

「この仕事を1時間やるくらいなら、売上につながる別の仕事を1時間やった方が会社のためになるな」

上司や同僚から依頼された1時間の事務仕事をやるより、売上につながる別の仕事を1時間やったほうが会社のためになる。この仕事を断ることは「正しい選択だ」。そう思えるからこそ、このケースは罪悪感を感じないのです。

このように書くと、「それは能力が高い人だからこそできることだ」と考える人もいるかもしれません。しかしこれは考え方が逆です。

売上がトップの人達や生産性が高い人たちは、皆仕事を断り、選んできたからこそ成果を挙げられるようになったり、生産性が高まったりしているのです。

この話はまた別の機会にくわしく書くとして、ここで理解していただきたいのは、仕事を依頼された時に「この仕事は自分が引き受けるべきなのか」という視点を常にもってほしいということです。

新しい仕事をあらたに1時間引き受ければ、あなたは単純に1時間多く働くことになります。また、その仕事をやることで、別の仕事に着手することができなくなったり、影響がでてきます。

たとえばあなたが営業マンなら、数字(売上)につながる仕事に時間を使えなくなったりするでしょう。

自分が引き受けるべき仕事を断らずにどんどん引き受けていけば、その分自分がやりたい仕事、成果が出せる仕事に時間を費やせなくなっていくということです。結果として、あなたは仕事で成果をどんどん出せなくなっていくでしょう。

だからこそ、あらたに仕事を依頼された時は、仕事を引き受けるべきか否か慎重に判断し、時には仕事を断ることが大切となってくるのです。

ちなみに、あらたに依頼された仕事を引き受けるべきか否かの基準の一つは、「自分がもしすでにデキる人だったら、この仕事を自分は引き受けるだろうか?」という基準で考えてみることです。

もし今すでにあなたが「仕事がデキる人」だったら、その仕事を引き受けるか。そうした視点で仕事を引き受けるべきか否か。検討してみてください。

そのうえで「この仕事を引き受けるべきではない」と思ったら、今からお伝えする具体的な方法で自信を持って仕事を断ってください。

仕事を断る、具体的な方法

仕事を断る具体的な方法はとてもシンプルです。

大切なのは二つ。

一つは「本当は仕事を引き受けたい」という気持ちを「前置き」として伝えること。

もう一つは「シンプルに断る」ことです。

説明していきましょう。

まず、仕事を断る時に大切なのは相手を不快な気持ちにさせないことです。

いきなり「ムリです」と言うと、さすがに上司や同僚もムッとすることは間違いありません。なので、まずはじめに「余裕があればその仕事は引き受けたい」という気持ちを伝えることが大切なのです。

伝え方はシンプルでオッケーで、「ぜひやりたいんだけど、、、」などと「 前置き」を添えるだけでオッケーです。

その上で「シンプルに断る」ことが大切です。

自分の罪悪感をごまかすようにだらだらと理由を述べるのではなく、単純に「今はできない」と伝えましょう。

たとえば、以下のような感じです。

「その仕事は是非受けたいのだけれども(前置き)、今はちょっと別の仕事で手一杯で受けられないんだ(シンプルに断る)。

ちょっと拍子抜けしたかもしれませんが、仕事術の本を大量に読んだ上で実践してきた僕のベストな仕事の断り方がこれです。

自信をもってオススメします。ぜひ試してみてください。

まとめ

仕事を断る上で日は一番大切なことは、まず自分の中で仕事を断ることについて、罪悪感を払拭することです。

罪悪感があると、 それは相手にも伝わります。

大切なことは罪悪感なく、自信を持ってシンプルに断ることなのです。

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この記事を書いた人

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滝川 徹

「30分仕事術」考案者。Yahoo!ニュースやアゴラに記事掲載多数の現役会社員。作家。タスク管理の専門家・セミナー講師。

1982年東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけに独学でタスク管理を習得。2014年に組織の残業を削減した取り組みで全国表彰。2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。

時間管理をテーマに2018年に順天堂大学で講演を行うなど、セミナー講師としても活動。受講者は延べ1,000名以上。月4時間だけ働くスタイルで4年間で500万円の収入を得る。著書に『細分化して片付ける30分仕事術(パンローリング)』他。

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