出版社の編集者が返事をくれない理由がマジでわからない

私はこれまで3冊の本を出版し、一般の人よりは編集者との付き合いがそれなりにあるが、今でも解明できない謎がある。

それは「なぜ編集者は返事をくれないのか」というものだ。

もちろん、自分の本の担当編集の方はきちんと返事をくれる。

問題は、出版社・編集者に新しい企画(これから出したい本の企画書)を送った時の話だ。

出版をしたことがない人のために念のため説明すると、本を出したい場合、おおまかに次の2つの方法がある。

一つは、出版社・編集者から「本を出しませんか?」と声がかかること。

もう一つは、自分で「こういう本を出したいのですが」と出版社・編集者に企画(書)を送ることだ。

インフルエンサーであったり、圧倒的な実績を出した人などは除き、大半の人は後者の道を辿ることになる。

出版社・編集者に、企画書といって、A4用紙2〜3枚くらいのレポートのイメージで「こんな本を作ろうと思っています」と案を送るのだ。

出版したことがない人は知らないかもしれないが、出版社・編集者に企画書を送ることは誰でもできる。

出版社のホームページを見にいけば「ここに送ってください」と公募している会社も多い。公募してなくても、問い合わせフォームに連絡すれば、大抵の会社は「ここに送ってください」と教えてくれる。

つまり、出版社・編集者にコネがなくても、企画書を見てもらうことはできるのだ。

他にも、X(旧Twitter)をやっている編集者がいる。相互フォローになれば、DMを送ることもできる。

私はこれまでこうした方法で、おそらく70社(人)近くの出版社(編集者)に企画書を送ってきた。

その中で毎度びっくりするのが、企画書を送った後の編集者の対応である。

まずは先日起こった衝撃的な出来事を紹介することから話をはじめたい。

誰もが知る有名出版社の驚くべき対応

少し前に、雑誌でも有名な大手出版社の編集者(Aさんとしよう)に次の本の企画書を送った。

Aさんは、もともとその出版社から紹介いただいた方だった。

出版社の問い合わせフォームに企画書を送りたいとメッセージを送ったら、Aさんのメールアドレスを教えてもらい、その後何度かやりとりをしたのが2年前。

残念ながら当時は企画が通らず、2年近く間が空いてしまったが、ひさしぶりに新しい企画を送ることにした。

「ご無沙汰しています」というメッセージとともに企画書を送ったが、数日経っても返事がなかった。まあ、ここまでは理解はできる。編集者は超多忙だ。すぐにメールがくるとは思っていない。

数日経ち、「どうでしょうか?現時点での感触だけでもいいので、教えてください」とメールした。

私は編集者の方は企画書をパッとみて、ある程度見込みがあるどうか。判断できると思っている。

出版の可否を判断するには会社内でしかるべき手続きが必要で時間はかかる。だが、編集者の感覚として、出版できそうかどうかの判断にはそんなに時間がかからないだろう。

私はそう考えているので、感触だけでも教えてくださいとメールしたのだ。しかし、数日待っても返事がこない。

しかたないので、とりあえずメールを見ているかどうかだけ、返信をもらえないか。検討に時間がかかるなら、大体でいいので、いつ頃返事をいただけそうか。教えてくださいとメールをした。

それでも、返事はこなかった。

ここで、私はAさんが何かしら理由があってメールを見ていないのではないか?と考え、この方を通して企画書を送るのを半ばあきらめ、仕方ないので出版社の問い合わせフォームに「企画書を送りたいのですが、どうすればいいですか」とメッセージを送った。

1週間くらい経っても、出版社から連絡はなかった。そこで、もう一度問い合わせをしてみる。「数日前に以下の内容でメッセージを送ったのですが、返事がまだなので、ご対応お願いします」と。

数日経ってもまだ返事が来ない。さすがにこれは会社としてどうなのだろう?

そう思い、しかたないので出版社に電話をして、対応をあらためてお願いした。電話に出た方に経緯を説明し、対応に時間がかかるならそれはそれでかまわないが、何かしら返事・リアクションをもらえないだろうか。

そうお願いした。

お昼くらいに連絡したので、さすがに今日中に何かしらリアクションはあるだろう。そう期待したが、当日何も連絡はなかった。

これも会社としてどうなのだろう?と思ったが、連絡を待つことにした。

翌日の夜、突然Aさんから「企画を検討したが、採用にならなかった」とメールがきた。

私は驚いた。

企画が通らなかったことに、ではない。

Aさんのメールには、連絡が遅くなって申し訳ないという趣旨の文言が一切なかったのだ。

まるで何事もなかったかのように、企画の検討結果だけが淡々と書かれていたのだ。

私はとても悲しい気持ちになった。

なぜ出版社・編集者は返事をくれないのだろう

これは一つの例だか、企画書を出版社・編集者に送った後に見られる対応を代表するケースだと私は考えている。

とにかく、企画書を送った後、彼らは返事をくれないのだ。

もちろん、全てのケースがそうではない。

すぐに「残念ですが」と不採用の連絡をくれる人もいる(おそらくこういう編集者は一流なのだと思う)。

すぐに「打ち合わせしましょう」と連絡をくれるケースもある(これは、編集者が「この企画はイケる!」と感じた時だろう)。

だが、体感的には8割近くの編集者が、企画書を送った後は何も言ってこない。何度督促しても、返事をくれない。

一体これはどういうことなのだろう?

誤解しないでほしいが、私は別に、すぐに採用の可否を教えてくれ、と言いたいわけではない。

編集者が超多忙なのは理解しているつもりだし、判断に時間がかかるなら、それはそれでかまわない。

私がここで問題視しているのは「返事がない」ことなのだ。

たしかに、一番の要因は私が送っている企画書の魅力が彼らにとってないことなのだろう。

私が売れっ子作家なら、もう少しきちんと対応してくれるのかもしれない。

実際、出版が決まる時の編集者のリアクションは早い。すぐに打ち合わせしましょうと連絡がくる。

つまり、連絡がないということは、見込みがないということなのだ。それは理解している。

それでも、何度連絡しても返事をしないというのは、ビジネスマンとしてどうなのだろうか? というのが私がここで問いかけたいことだ。

時間がかかるのはかまわない。2ヶ月かかってもいい。大体いつ頃返事します、と一言返してくれればそれでいい。

だが、それすらもしてくれない編集者があまりにも多い。

なぜなのだろうか? というのが、最近私が考えていることだ。

理由としては、以下のようなものが考えられる。

・編集者が忙しく、検討する時間が取れていない
・企画をそのままキープしておきたい(ネタに困った時にいつでも使えるよう)
・企画を採用するつもりがないが、返事するのがめんどくさい

他にもあるのかもしれない。答えは編集者でないとわからないだと思う。

でもさ、返事くらいしようよ。社会人としてさ、と思うのだ。

一言でいい。「今忙しいので、もう少し時間をください」だけでもいい。

なぜその一言が言えないのだろうか?

なぜガン無視するのか?

そうした編集者を批判したいのではなく、私は単純に理解したいのだ。

なんで?

でも、この謎はしばらく解けそうにない。

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この記事を書いた人

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滝川 徹

「30分仕事術」考案者。Yahoo!ニュースやアゴラに記事掲載多数の現役会社員。作家。タスク管理の専門家・セミナー講師。

1982年東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけに独学でタスク管理を習得。2014年に組織の残業を削減した取り組みで全国表彰。2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。

時間管理をテーマに2018年に順天堂大学で講演を行うなど、セミナー講師としても活動。受講者は延べ1,000名以上。月4時間だけ働くスタイルで4年間で500万円の収入を得る。著書に『細分化して片付ける30分仕事術(パンローリング)』他。

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