「個人の頑張り」に成果をゆだねる日本、「パフォ ーマンスが上がる環境作り 」を重視するアメリカ-三田紀房さん著 「徹夜しないで人の2倍仕事をする技術」

成果を落とさずに残業を減らすために必要な発想は、言葉を選ばずに言えば、「いかに楽をして成果を出すか」です。

僕自身も昔そうでしたが、日本人はいわゆる体育会的な働き方に美学を感じます。がんばって働いている自分に酔っているのです。

そして残念なのは、本人にその自覚がないことなのです。僕自身も含め、自分がそうして体育会的な働き方をしている自覚がない。だからこそ、仕事が終わらないわけです。

まじめな人ほど、この罠に陥ります。だからこそ、発想の転換が必要となるわけです。

そこで必要になるのが「いかに楽をして成果を出すか」という考え方なのです。

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がんばることが目的なのか、成果をだすことが目的なのか

まず考えなければならないのは、あなたの仕事の成果(評価)の80%を決める20%の仕事を考えることです。

そう、あの80:20の法則です。仕事の成果の80%は、僕達の仕事の20%で決まるという有名な法則です。詳しく知りたい方は以下のリンクから。

全ての仕事に全力投球することは、体育会的には美しいのかもしれません。しかし成果を出すという目的に則した場合は、単に効率が悪いだけということになります。

本来あなたの評価は成果で測られるべきです。がんばった量で評価されるものではないわけです。

そして成果を追求するのに大切な発想は、大切な20%の仕事に集中することなのです。そうして、次にあなたがやらなければならないこと。

それは残りの80%の仕事を「いかに減らすか」です。

成果を生まない8割の仕事をやらない方法を考える

80対20の法則にもとづけば、残りの80%の仕事はあなたの仕事の成果の20%しか生まないことになります。

経営者であれば、これらの仕事をどれだけなくせるかがポイントになるわけです。そこで生み出された80%の時間を、あらたに大切な20%の仕事に注ぎ込めば、成果は劇的にあらわれます。

会社員の場合は、そう簡単に仕事を減らすことはできないかもしれません。その場合は、シンプルですが他人に仕事をお願いすることを検討しましょう。

その一つの方法は、自分がお願いしたいと思う仕事が得意な人がいれば、その人にお願いしてしまえばいいのです

その代わりあなたはその人の苦手な仕事を手伝ってあげてもいいし、創出された時間を作って会社のために成果をあげたらいいのです。

もう一つ、アウトソーシングという選択肢も考えましょう。社外の人にどんどん仕事をお願いするのです。

アウトソーシングが合理的な理由

ここでも発想の転換が必要です。「経費がもったいないから、これぐらいの仕事は自分でやるべきだ」という発想は捨てましょう。

大切なことは、冒頭に書いた通り「いかに楽をして成果を出すか」です。

成果を生まない仕事にもかかわらず、その仕事がなくせない仕事なら、ルールの範囲内でどんどんアウトソーシングするべきです。

罪悪感を感じる必要はありません。その分、あなたはあなたがやるべき仕事で成果をだせばいいのです。むしろ、逆です。これは悪いことですら、ありません。むしろ合理的であり、会社にとってはいいことなのです。

仕事を全部自分でやろうとすることのほうが無責任なのです。なぜなら、仕事では成果を出すことが一番の目的だからです。

個人の「がんばり」はいらない

例えばアウトソーシングした結果、経費が2倍に増えたとして、売上が2倍になったら何も問題がないわけです。むしろ経営者はハッピーでしょう。

ガンガンアウトソーシングして結果を出す人と、がんばって全部自分でやろうとする人。成果を出すという観点で、どちらが無責任なのでしょうか。

こうした発想の転換が必要ということです。がんばることに逃げてはいけないのです。

最近読んだ以下の本に、おもしろいエピソードが書いてありました。

プラント建設会社で、中東の砂漠にプラントを建設することになった時の話です。

日本の会社では、従業員は単身で現地に乗り込み、プレハブ小屋をたてて、その中で簡易ベットを置いて、カップ麺をすすりながら「がんばる」のだそうです。

その後アメリカの会社が何キロか先に到着します。大きなトレーラーでホテルを立てて、プールやゴルフ場まで作って、家族を連れてくる。プロジェクトが終わるまで従業員はそうして家族とともに、快適に過ごすのだそうです。

このエピソードで著者は以下のように述べています。

これは 「個人の頑張り 」に成果をゆだねる日本社会と 、 「パフォ ーマンスが上がる環境作り 」を重視するアメリカ社会の違いではないか。会社や家族の期待を背負って努力する姿は 、傍から見れば美しいかもしれない。しかし、その頑張りによる出せる成果には、限界がある。アメリカ社会ではおそらく 、個人の頑張りはそんなに期待されていない 。それより信頼できるものとして 〝仕組み 〟があり 、環境を整えることで人のモチベ ーションやパフォ ーマンスを最大限に引き出そうとする

個人が「がんばる」ことが、組織全体で見たらどれだけ不合理か。厳しくあらわしているエピソードというわけです。

個人で「がんばる」ことは、厳しく言えばその人の自己満足にすぎません。大切なことは、成果をだすために、いかに自分ができることに集中して会社に貢献するかなのです。

発想を変えるという観点では、以下のエントリーも読んでみてください。

投稿者プロフィール

滝川 徹
滝川 徹
東証一部上場の保険会社で「残業ゼロ」を1年以上実践するサラリーマン。慶応義塾大学卒。「気持ちが楽になる働き方」著者(同書はKindle新着ランキング2冠を獲得)。

専門は「タスク管理」。現在は「シゴタノ!」主宰の「タスクカフェ」の非常勤講師を務める。

会社で働く人の「自分らしい働き方」の実現に貢献したいと考えています。「家庭」と「自分らしく生きること」を大切に、日々自分を貫いて生きています。

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