人生それなりに長い間生きていると、昔イヤなことをされた人のことを「許せない」と感じる時もあると思う。
人によってはそれは両親かもしれないし、会社の上司かもしれないし、友人だった人かもしれない。
誰だってそういう人がいるんじゃないかな。僕の場合は、昔の上司達だ。
ただ、これから話すような考え方を取り入れるようになってからは、だいぶ怒り、恨みに似た気持ちは落ち着いてきているように思う。まぁ、もう昔の話だしね。
はたして僕はどんな考え方を取り入れるようになったのか。
それは、その人(君が許せない人)の、その時に置かれた立場を想像してみることからはじまる。
このことを書くきっかけになったのは、昨日YouTubeを見ていたら、偶然見つけた、僕の分身のシム・リウ(マジで僕と瓜二つなんだな。これが)のインタビューだ。
シム・リウといえば、「シャン・チー」でアジア人ではじめてマーベルシリーズで主役になったことで有名な俳優。
「シムが出演してるならしかたない」といざインタビューを聞いてみると(もはや、兄弟みたいな感覚だ)。シム、なかなかいいこと言ってるじゃないか。そしてどうやらシムは最近本を出版したらしい。
彼はその本に関するインタビューを受けていたわけだが、その中でシムは幼い頃両親との人間関係にとても苦しんだが、「今では彼らが当時ベストを尽くしてくれたことに感謝している」と語っていた。
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両親との関係にものすごく苦しんだシム・リウ
どういうことか、ものすごく簡単に説明しよう。
シムは中国で生まれた。しかし生まれて間もなく、両親が学位を取るためにカナダに移住した。
当時両親はお金もなく、夫婦共に学位を取るためにあまりに忙しかったことから、やむなくシムは中国で祖父母に育てられることとなった。
シムは祖父母との暮らしを楽しんでいたという。そんな中、4歳半くらいになった時、両親に少し余裕ができたのか、突然両親がシムを迎えに来て、シムはカナダで両親と一緒に住むことになった。
それから成人するまで、シムは両親との関係にずっと苦しんできたという。その理由はいくつかあったが、一つは両親とシムとの間で考え方、価値観に大きな溝が生まれてしまっていて、それが埋まらなかったことらしい。
一から子育てをする通常の親と違い、シムの両親は4歳半から育児をスタートすることになった。そのせいか、シムの両親とシムは考え方、価値観に埋まらない溝ができてしまっていて、うまく親子関係を築けなかったという。
また、シムは両親からとにかく勉強することを強要されたように感じていたという。
シムは両親のその教育方針に沿って勉強し、ビジネススクールにも行き、その後大企業で働くことになるが(その後クビになり、俳優への道を突き進むことになる)、幼い頃から親の価値観(勉強させられたこと)を押しつけられてきたことをずっと不満に感じていたという。
しかしシムは、昨日のインタビューで次のようなことを語っていた。
「今なら両親のとった行動がよくわかるんだ。両親にとっては、中国からカナダという見知らぬ土地に移住してきて、お金もなく、不安でいっぱいの生活を送っていた。彼らにとっては、学位を取ることが生活できる安定した仕事を得る唯一の手段だった。そして彼らにとっては、息子が幸せに生きるために、それがベストな手段だと信じて疑わなかったのだと思う。どの親も完璧じゃない。彼らは彼らでベストを尽くしていたんだ。」
相手の立場を想像すると、相手の行動を理解できるようになる。
シムが言うように、もし君に許せない人がいた場合。
なぜ彼らがそんな行動を取ったのか、想像をしてみると、大抵はシムと同じような結論にたどりつくのではないだろうか。
僕自身も過去に上司と色々あったが、あれから時間が経ち、当時の上司が取った行動も理解、想像できるようになった。
当時彼らの置かれていた立場を想像すれば、あのようにするしかなかったのだろう。
彼らの行動を肯定することは全くできないが、彼らは彼らで苦しんでいた。彼らは彼らで、あれでもベストを尽くしていたのだろう。やむを得ずあのような行動を取った。そう理解することができる。
またシムのように、両親に自分達の価値観をおしつけられてきたように感じる人も少なくないだろう。
たとえば僕自身も、小学校の時に勉強がイヤでイヤで仕方なかったが、両親の方針で中学受験をすることになった。
小学校の放課後、みんながサッカーをしている中、塾に行くために一人で帰宅してる時は「なんで自分だけ勉強しなければいけないんだろう」と思ったものだ。
でもおかげで今の素晴らしい会社に入れたわけだし、シムと同じように、両親は僕が幸せな人生を歩んでいけるようにベストを尽くしてくれていたことを今では理解でき、心から感謝している。
どんな人も完璧じゃないし、ベストを尽くしてる
そう。どんな人も、たとえ両親であれ、上司であれ。完璧じゃないし、彼らなりにベストを尽くし、行動をしてるんだ。
僕は別に、だから彼(彼女)らを許すべきだと言ってるわけじゃない。
でも、彼(彼女)らに悪意はなかったというか、彼(彼女)らも苦しみながら、ベストな判断だと思ってあのような行動を取った。
そう理解できれば、少し怒り、恨みの気持ちは癒えるのではないだろうか。
時間はかかるかもしれないが、僕もそのうち彼らのことを心から許せるようになる日がくる。
そんな気がしている。
シム・リウのインタビューはこちら(全部英語なので注意)。
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