人に頼ることが相手にとって迷惑とは限らない

最近は社内外の人との連日の送別会で寝不足です(笑)。

おもしろいことに、送別会では皆さんから自分のフィードバックを得ることができます。もちろん悪いことを言ってくる人はほとんどいなくて、全員が僕の良いところ、楽しかった思い出などを教えてくれるのです。

こういった話は、いただく送別の品よりもずっと価値があるわけです。そこで先日一緒に仕事をさせてもらっていた取引先の人達から言われた言葉が印象に残っています。

それはわかっていたものの、やっぱり不思議な言葉でした。

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頼りきりだったのに、「任せてくれて嬉しかった」と言われる

言われた言葉は、「すごい信頼して最後まで任せてくれたから、一緒に仕事をさせてもらってとても楽しかった」という感じのものでした。

こうして文章にしてしまうと伝わりにくいかもしれませんが、直接言われた身としてはしみじみと「ありがたいなぁ」と感じてしまいました。

そして僕が「不思議だなぁ」と思ったのは、僕自身はめちゃくちゃその人達に頼りきりで仕事をしていたのに、「任せてもらって、嬉しかった」と言ってもらえた点なのです。

残業ゼロを貫くようになってから、僕自身は「自分の仕事」に専念することを意識してきたからです。

他人の仕事を奪わない

「自分の仕事」とは、自分が得意であり、かつやりたい仕事を指します。この一年は特に「自分の仕事」以外はなるべくやらないことを意識してきました。

それは僕自身が「自分の仕事」以外のことをやれば、その分、他の人の仕事を奪うことになる。そう考えているからなのです。

それは例えれば、送別会に招かれた身なのに、送別会の準備を手伝うようなものです。

この場合、送別される人はただ送別会に参加すればいいのです。もう少し言えば、その会を楽しんで、感謝の気持ちを皆さんに伝えることが「自分の仕事」とも言えます。

にもかかわらず、送別者が店の予約を自分でしようとしたら、送別会を開催する側はとまどってしまいます。

つまり仕事の中で、「自分の仕事」を明確に理解し、それ以外の仕事は他人に任せるということです。特に社外の人は専門家なわけですから、餅は餅屋なのです。

お互いが自分のやりたいことをやってハッピーに働く

だからこそ、僕自身は「餅」を食べることに専念してきたのです。

昔は「自分が何とかしなければいけない」と考え、餅屋と一緒に餅を作っていた時もありました。その時の習慣で、他人に頼り切ってしまうことを「悪いなぁ」と未だに思ってしまうこともあります。

しかしそこはあえて餅屋に委ねる。そして僕は餅をおいしく食べることに徹してきました。その結果、社外のメンバーは冒頭に書いたように、喜んでくれたというわけです。

お互いが「自分の仕事」に徹して、お互いがハッピーになる。これこそが役割分担だと思うのです。人それぞれが自分の役割を全うすることだと思います。

相手の本音はどうせわからないから、もっと人に頼ってもいい

何が言いたかったかというと、人に頼ってもいいということなのです。

頼ってしまうと、相手に「悪いなぁ」と思う時もあります。しかし相手がそれを迷惑と思っているか、嬉しいと思ってるか。その真相はわからないわけです。その人に聞いたとしても、それが本音かどうか、どうやって判別したらいいのでしょう。

相手が不機嫌そうにみえても、その人が迷惑と思ってるかどうかは、わからないのです。お腹がいたいだけかもしれません。

であれば、勇気を出して頼む。そして自分は「自分の仕事」に徹する。それがハッピーに働くコツだと思っています。

あなたは餅をおいしく食べることに専念していますか?

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この記事を書いた人

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滝川 徹

「30分仕事術」考案者。Yahoo!ニュースやアゴラに記事掲載多数の現役会社員。作家。タスク管理の専門家・セミナー講師。

1982年東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけに独学でタスク管理を習得。2014年に組織の残業を削減した取り組みで全国表彰。2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。

時間管理をテーマに2018年に順天堂大学で講演を行うなど、セミナー講師としても活動。受講者は延べ1,000名以上。月4時間だけ働くスタイルで4年間で500万円の収入を得る。著書に『細分化して片付ける30分仕事術(パンローリング)』他。

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