「手抜き」のやり方を覚えれば仕事の効率は3倍になる-佐々木常夫さんの「定年するあなたへ」から学ぶヒント

仕事を早く終わらせるコツは「手抜き」を覚えることです。

僕自身、長時間労働の時期はこの「手抜き」をうまくできていなかったなぁと今ならわかります。

例えば1時間やっていた仕事を「手抜き」で20分でできるようになったら、あなたの仕事の効率は3倍上がったことになるわけです。

ではどうやったら「手抜き」をしながら、従来以上に仕事の成果を出すことができるでしょうか。

そのコツは意外にも定年をテーマにした佐々木常夫さんの以下の本に書いていました。

定年するあなたへ
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8割の成果を生む2割の仕事に力を注ぎ、その他の仕事をいかに「手抜き」するか

佐々木常夫さんの「定年するあなたへ」には、仕事の「手抜き」について以下のように書かれています。

たとえば 、あなたの仕事の重要度をすべて点検してごらんなさい 。 1 ~ 5段階で判定してみて 、重要度 5の仕事などはごくひと握りで 、大半は重要度 2か 3であることに気づくはずです 。ほんとうに大事な仕事は少なく 、そうでもない仕事が多い 。(中略)したがって肝心なのは 、その軽重をよく見極めて 、いかに大事なことに力を注ぎ 、そうでないことを上手に 「手抜き 」するか 。

これは「80対20の法則」と言っていることは本質的に同じです。仕事の成果の8割は2割の仕事で決まるという有名な法則です。

佐々木さんもおっしゃっていますが、手抜きをしながら成果を出すためには、成果に直結する2割の仕事に時間をしっかりかけ、残りの8割の仕事をいかに手を抜くかがポイントになります。

ここに各人の生産性の差が生まれるということです。生産性か高い人とは、仕事のポイントをおさえている人に他ならないのです。

「手抜き」が上手な人は、仕事のポイントがおさえられているということ

千田琢哉さんの以下の本にも、同様のことが書かれていました。

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すなわち手抜きというと印象は悪いのですが、「手抜き」がうまくできる人というのは、仕事の大事なポイントを押さえている人ということなのです。

例えば昔の僕は、社外に出す文書の案を部下が作ってきた時に、かなり細かく添削していました。30分以上かけて、じっくり、丁寧にやっていたわけです。

しかしある時、これは成果をほとんど生んでいない仕事ということに気がついたのです。

手抜きで創出された時間を2割の重要な仕事に回す

まずその文書を受け取る顧客はそんなにその文書の内容に緻密さを求めていないことに気づきました。そして文書は意味が伝わればいいわけですから、細かく構成を整える必要もないことに気がついたのです。

それからというものの、誤字脱字や明らかに意味が通じない時以外は部下の文書をそのまま承認することにしました。その結果、ほとんどの点検が5分もかからないようになりました。

これは30分かかっていた仕事が、5分に短縮されたことになります。こうして創出された時間を、どんどん大切な2割の仕事に回していけばいいのです。

その他の仕事についても、こうしてどんどん「手抜き」をしていくようになっていきました。その結果、「残業ゼロ」を実践できるようになったのです。

なお手抜きをする時は「意外な盲点」もあります。

得意なことほど「手を抜け」

意外な盲点は、僕の文書の例のように、自分が得意な分野程こだわってしまう点が人にはあるということです。なぜなら自分が得意な分野ほど、細かい点に目がいくからです。

これを防ぐには、「この仕事は8割の成果を生み出す2割の仕事に該当するか?」と常に自問自答する習慣をつくることなのです。

その答えが「NO」なら、いかに手を抜くか。そこがあなたの腕の見せどころになるというわけです。

以下の佐々木正悟さんの本もオススメしておきます。マジメな人ほど、読んでいただきたい一冊です。

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この記事を書いた人

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滝川 徹

「30分仕事術」考案者。Yahoo!ニュースやアゴラに記事掲載多数の現役会社員。作家。タスク管理の専門家・セミナー講師。

1982年東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけに独学でタスク管理を習得。2014年に組織の残業を削減した取り組みで全国表彰。2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。

時間管理をテーマに2018年に順天堂大学で講演を行うなど、セミナー講師としても活動。受講者は延べ1,000名以上。月4時間だけ働くスタイルで4年間で500万円の収入を得る。著書に『細分化して片付ける30分仕事術(パンローリング)』他。

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