お金の使い方と時間の使い方は同じであり、お金同様、1日に使える時間も限られている。
このことを本当に理解している人は少ないものです。
例えば以下は僕が使っているタスク管理ツールTaskChuteのデモ画面です。僕は毎朝出勤すると、今日やることをこうしてリスト化しています。
このリストに載っているタスクは、全てルーティンタスク(毎日やること)だということがポイントです。毎日やることだけで、これだけの数と時間が取られるのです。
こういった現実を知らない人があまりにも多いのです。これはお金に例えれば、自分の生活費や定期的な支出を把握していないということなのです。
それでは残業がなくなるわけがありません。多くの人はお金も時間も、自分がいかに無駄遣いをしているかにさえ、気づかないからです。
それでは自分が本当に自由に使える時間やお金がほとんどないことに気付けるわけがないのです。
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自分の待ち時間の概念を理解しているか
この話をして、3時間の企画書を1日でやろうとすることの愚かさに気づいた人もいるかもしれません。
今日自分がやりたいタスクにかけられる時間は、自分の労働時間からルーティンタスクにかかる時間を差し引いた時間だからです。
ルーティンタスクには、メールチェック、昼休みの時間以外の時間も考慮しておかなければなりません。それは「割り込みタスク」と呼ばれるものです。
「割り込みタスク」とは、「招かれざる客」のことです。
意外なルーティンタスクで時間を取られていることに気づく
「割り込みタスク」とは、取引先からかかってくる電話に取られる時間、上司からの「ちょっといいかな?」や、同僚から声をかけられたりする時間です。
特に会社員であれば、割り込みタスクが一切ない仕事などありえないでしょう。ほとんどの人は、毎日それなりに割り込みタスクに時間をとられているのです。
つまり厳密言えば、あなたが1日やりたい仕事に使える時間は「労働時間−ルーティンタスクの時間−割り込みタスクの時間」となります。
ルーティンタスクはもちろん、割り込みタスクに1日どれくらい時間が取られているか。この実態をあなたは知らない限り、定時に仕事は終わらない。
だからあなたは残業しなければならなくなるというわけです。割り込みタスクは事前に予定しておかなければならないのです。
お金にも「割り込みタスク」はある
そういう意味で、時間とお金は使い方の概念は同じなのです。
会社員であれば、給料が会社から振り込まれます。これが時間でいえば、労働時間なわけです。
人間が生きていくには、生活費がかかります。給料全額を自由に使える人はいないわけです。給料から生活費を除いた金額を知る必要があります。
それだけではありません。人間である以上、人と付き合うことでお金を使ったり、時には無駄遣いをしてしまうこともあるでしょう。
こういった不可避的な支出も毎月一定の金額あるのではないでしょうか?これが時間で言えば、「割り込みタスク」にあたるのです。
こういった金額も考慮した残額が、あなたが本当の意味で自由に使える金額ということになるのです。
残業と借金は本質的に同じ
この概念を理解していないから、多くの人は貯金や投資にお金を回せないのです。人によっては、借金せざるをえない人もいるでしょう。
残業をしている人というのは、この状態と同じなのです。
与えられた給料(労働時間)より支出が多いため、借金をしている(自分のプライベートの時間を犠牲にしている)のです。
借金をしている以上、豊かに暮らせるわけがありません。同じく、自分のプライベートの時間を犠牲にして働いていては、いつまでたっても本当の意味でハッピーに生きていくことはできないのです。
では今日からあなたは何をしなければならないのでしょうか?それは「現実を把握することに努める」ことです。
「記録」こそが現実を知る唯一の手段
「把握する」とは、ルーティンタスクにかかる時間と、割り込みタスクだけでもいいので、時間を記録することです。一週間も記録をすれば、それぞれの平均時間を算出することができます。
あなたの労働時間から、それらの時間を引いた時間の中で、やりたい仕事をまずはやりくりする意識をすることです。
タスク管理ツールを使えば簡単にできますが、紙でも以下のようなイメージで取り組めばできます(吉越浩一郎さんの「仕事が速くなるプロの整理術」から引用してます)。
残業をなくすとは、給料の範囲内できちんと生活することと本質的には同じなのです。
タスク管理はハードルが高いという人は、吉越さんの以下の書籍をオススメします。残業を減らす具体的なテクニックが盛り込まれた一冊です。
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