「仕事の優先順位がうまくつけられない」に役立つ3つの考え方

最近同僚と話をしていて、仕事の優先順位のつけ方がよくわからない。そんな悩みを聞いたんですね。

仕事がたくさんあって、何から手をつけていいのか。どの仕事から手をつけていいのか。悩んでしまうということでした。

こういう方、けっこう多いのかもしれません。なので、今日は仕事の優先順位のつけ方・考え方について話をしたいと思います。

細かい話はこの後するんですが、結論から言うと、計画と実行を切り分ける。これがとても大切です。

なぜなら、仕事をしながら優先順位をつけるのって、ものすごくむずかしいからです。同時にこの2つの作業をやるのは相当むずかしい。

仕事中って、めちゃめちゃ忙しいじゃないですか。そんな中、冷静に優先順位をつけるって、ものすごくむずかしい。

ついつい取り組みやすい仕事に手をつけてしまいがちです。そうしていると、本当はやらなければいけない仕事にいつまでたっても着手できない。

優先順位をうまくつけられないと、こんな感じで仕事に支障が出てくるわけす。

ではどうすれば優先順位をうまくつけられるようになるのか。それが、計画と実行を切り分けることです。

仕事をはじめる前に、まず計画を立ててしまう。どの仕事をどういう順番で取り組んでいくのか。1日の計画を立てるんですね。

仕事をはじめる前に計画を立てるメリットは、冷静な判断ができることです。先程、一度仕事がはじまってしまうと冷静な判断はできない。そう書きました。

しかしたとえば始業前など、1日がスタートする前に1日の計画を立てれば、今日取り組むべき仕事はなんなのか。冷静に見極めて計画することができます。

そして実効性のある計画を作ることができれば、あとは計画通り実行するだけとなります。

つまり、優先順位をうまくつけられるようになりたいなら、まずは仕事をはじめる前に計画を立てる。これが重要となってくるというわけです。

ということで、今日は具体的にどうやったらこれができるのか。どうすれば実行性のある計画を作ることができるのか。

そもそも、優先順位ってどうやってつけるの?という話をメインテーマにお話していきます。

それでは早速まいりましょう。

(※)この話はPodcastでも話をしています。音声で楽しみたい方は以下よりお楽しみください。

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仕事毎に「取り組む日付」を決める

まずはじめに、仕事における優先順位の判断基準というか、Aという仕事とBという仕事がある場合。

どうやって優先順位をつけるの?という基本的な話からスタートしたいと思います。

結論から言うと、優先順位は基本的に仕事の締め切り日で判断すべき、というのが私の考えです。

AとB、どちらを先に処理すべきか。迷ったら、締め切り日が早いほうということになります。

一方で、たとえば仕事の締め切りが1年後というのように。締め切りが長い分、終わらせるのに時間がかかる仕事もありますよね。

いわゆるプロジェクトと呼ばれる仕事です。こうした仕事も含めて、単純に締め切り日だけで優先順位をつけていると、当然仕事の管理はうまくいかなくなります。

では、どうしたらいいのか。仕事の締め切り日をもとに、仕事毎に取り組む日付を決めればいいのです。

たとえば締め切りが1年後の仕事でも、1週間後から少しずつ進めるのであれば。取り組む日付としては1週間後とします。

そうして、仕事毎に「この仕事はいつに取り組もう」と取り組む日付を決めてしまう。そのうえで、取り組む日付を軸に、優先順位をつけていく。

これが優先順位をつける時の最もシンプルかつ現実的な判断基準となります。

AとB、どちらを先に処理すべきか。迷ったら、取り組む日付が早い方から取り組んでいけばいいのです。

なので、理想は全ての仕事に取り組む日付を決めることです。たとえばAという仕事は8月1日に取り組むとか、Bという仕事は8月30日に取り組むといった感じで決めます。

一方で実務上、仕事の締め切りが明確に決まってない、決められてないケースもありますよね。そんな時はどうしたらいいのでしょう。

解決策は色々ありますが、一番シンプルなのは、仕事の提出先、たとえば上司や取引先に「いつまでにやればいいですか?」と聞いてしまうことです。

「いつまでにやればいいですか?」と聞くのを基本とする

仕事を与えられた時に「いつまでにやればいいですか?」と聞くことを習慣にしてほしいんですね。

なんとなく聞きづらい、、、という気持ちはわかります。でも、これをやらないと優先順位もうまくつけられなくなります。

たとえば仕事を与えられて、相手から特に締め切りが示されなかったので、2週間後に提出すればいいやと思ってたのに。1週間経過したタイミングで「あの仕事、まだ?」と言われる。

これに似た経験をした方も少なくないのではなないでしょうか。

こうしたことを防ぐためにも、事前に締め切り日を確認しておくことが重要です。もし相手から明確に期限が示されなかったら、「では、8月末までに提出しますね」といった感じでこちらで無理のないスケジュールを提案すればいいのです。

そうして合意が取れてしまえば、先方から「あれ、どうなりました?」と問い合わせが入ることもなくなります。

問い合わせにより仕事を中断されることもなくなり、効率的に仕事を進められるようになります。

ということで、仕事の優先順位をつけるうえで一番大切なこと。それは仕事毎に取り組む日付を決めて、取り組む日付で仕事を管理することです。まずはここを押さえてほしいと思います。

次にお伝えしたいのは、仕事は30分単位で取り組んでみましょうということです。

「優先順位をつけない」という第三の選択肢

多くの人はたとえばA、B、C、Dと仕事があったとしたら、まずAを終わらせて、次にBをやろう。

こんな感じで、一つずつかたづけていこう。そう考える人が多いと思います。だからこそ、優先順位がうまくつけられないという悩みが発生するんですね。

たとえばA→B → C → Dという順番で仕事に取り組んだほうがいいのか。それともD →C →A →Bという順番で取り組んだほうがいいのか。

こんなふうにみんな、悩んでしまうのではないでしょうか。

この問題に対して私が提案するのは、全部同時並行に取り組んでしまおう!ということです。

たとえば抱えてる仕事がABCDと4つあったとして、各々1時間かかる仕事だとしましょう。今日は半日かかる別の仕事があって、2時間しかABCDにかけられる時間がないとします。

この場合、今日ABの二つを終わらせたほうがいいのか、CDを終わらせるべきか。悩んでしまうわけです。

こんな時、私なら4つ全部やってしまおう!という結論になります。ABCD全部30分ずつ着手するのです。

Aを終わらせて、Bを終わらせてと、一つずつ仕事をかたづけるのではなく、4つ同時並行で取り組んでいくということです。

こうして複数の仕事を同時並行で進めていく仕事術を私は「30分仕事術」と呼んでいるのですが、この考え方がいかに効果的かは拙著を読んでいただくとして。

一つのメリットとしては、優先順位に迷わなくなります。優先順位で悩む時って、大抵2つか3つだと思うのです。

AとB、どちらから手をつけるべきか。あるいは、A、B、Cどれから手をつけるべきか。そんな感じだと思うんですね。

20個のタスクのどれから手をつけたらいいかわからない。こういう人は少ないと思うのです。だったら、その2つあるいは3つのタスクは30分ずつ取り組んで、同時並行で取り組んでしまおう。

そうすることで優先順位で悩まなくなるわけです。少しでも興味が湧いた方は、ぜひ拙著を読んでみてくださいね。

最後にお伝えしたいこと。それは、仕事をはじめる前に仕事の計画を立てようということです。

仕事がはじまってしまえば冷静な判断はできない

たとえば9時から仕事をはじめるのなら、8時45分ぐらいから、10分あるいは15分でもOKです。

今日はどういう順番で仕事を進めていくのか。おおよそでもかまいません。仕事に取り組む順番を決めてから仕事をスタートするのです。

なぜこれが大切なのか。それは冒頭でも書きましたが、一旦仕事がスタートしてしまうと、冷静な判断ができなくなるからです。

たとえば重要だけど緊急ではないAという仕事と、かたづけやすいBという仕事があったとします。忙しい時にAとB、どちらからやるか。優先順位に迷いが生じたとします。

こんな時、十中八九、着手しやすいBをまず終わらせよう。そう考えるのが人間です。「Bを片付けてから、Aをやろう」と自分に言い聞かせてBに取り組むのです。

そしてAをやろうとすると、Cという仕事が発生する。あるいは、チャットでDという仕事の依頼が入る。

そうすると、本当はAをやらないといけないのに、CやDを片付けようとなってしまうわけです。

そうして気がつけば、Aに着手せずに1日を終えることになります。

こうした事態を避けるために大切なのは、事前にAをやってからBをやろうと、計画を立てておくことです。

仕事をはじめる前の冷静な自分なら、先にAを終わらせてからBに取り組んだほうがいい。こうした冷静な判断ができるからです。

一方で計画を立てるといっても、具体的にどうやったらいいのか。わからない人もいるでしょう。

明日からすぐできるという観点では、1日を2時間単位で区切って計画を作ることをオススメします。

1日を2時間毎に区切る

たとえば今日、9時から19時まで働くとします。その場合、以下の通り1日を2時間毎に区切るのです。私は区切りをセクションと呼んでいます。

  • セクションA : 9時–11時
  • セクションB : 11時– 13時
  • セクションC: 13時–15時
  • セクションD : 15時–17時
  • セクションE :17時–19時

こうしてセクションで1日を考えるメリットは、1日の仕事の計画が作りやすくなることです。

いきなり1日の仕事の計画を立てろと言われても、簡単にできる人は少ないでしょう。でもセクションA= 9時–11時に何をやるかまず考えて、次にセクションBに何をやるか考える。

こうしてセクション毎に取り組む仕事を決めていけば、やってみればわかりますが、比較的簡単に計画を作ることができるはずです。

この時意識してほしいことは、午前中になるべく頭を使う難かしい仕事や、気が進まない重い仕事を入れるようにするということです。

仕事では午前中がゴールデンタイム。そんな話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

理解しやすいようにものすごく簡単に言うと、人は一般的に午前中、意思の力が一番強いんです。午後になればなるほど、意思力はなくります。夕方はほとんど残っていません。

つまり同じ仕事を取り組むのでも、午前中に取り組めば着手できる可能性は高いですが、夕方に取り組もうとすると取り組めないことが起こりうる、というわけです。

だからこそ、意思の力・意思力を指針として計画を立てると、計画は立てやすくなります。

計画を立てる時、セクションAやBにはできるだけめんどくさいと感じたり、気が重い仕事をやるようにするのです。事務的な仕事や、メールのチェックなど簡単な仕事は午後のセクションC以降に取り組むようにします。

こうして、人の意思の仕組みを理解したうえでセクションがあると、仕事の計画を立てやいわけです。

優先順位も迷わなくなります。難かしいAという仕事と簡単なBというタスクがあれば、AはセクションAかBに入れればいい。簡単なタスクBはセクションC以降にいれればいい。

こんな感じで、仕事の優先順位も簡単につけられるようになるわけです。そうして実行性のある計画を立てることができれば、あとは計画通り実行していけばいいというわけです。

最後に簡単に今日の話をまとめましょう。

まとめ

今日の話で一番大切なことは、計画と実行を切り分けるということです。仕事をはじめる前に計画を立てましょうということですね。

仕事の計画を立てる前準備として大切なことは、仕事毎に取り組む日付を決めましょうということでした。

特に、仕事の締め切りが決まっていない仕事は、取引先や上司に「いつまでにやればいいですか?」と確認しましょうという話をしました。

あるいは自分で「いつまでに提出するようにします」と提案することも大切だという話もしました。

次に話をしたのは、優先順位に迷った時は同時並行で全部30分ずつ取り組んでみようという話でしたね。

別に30分にこだわらなくてもよいのですが、ここでお伝えしたいのはABCDと4つ仕事があったら、ABかCDかと悩むより、ABCD全部やる。

こうした発想をもってみましょうということでした。

最後にお話ししたのは、1日を2時間単位で区切って計画を立てましょうということでしたね。

9時から11時、11時から13時という朝の時間帯には、難かしい仕事や気が進まない仕事を計画するようにする。

13時以降はあまり頭を使わない仕事に取り組むようにする。こうした指針で計画を立てると優先順位もつけやすくなります。

はい、ということで。今日の話、少しでもおもしろいと思っていただけましたらぜひ拙著30分仕事術を読んでみてください。

必ずあなたの役に立つはずです。

以下リンクから1章を丸ごと試し読みすることもできます。どうしようかなと迷う方は1章だけでも読んでみてください。それだけでも価値はあるはずです。

1章試し読みへのリンク

それでは今日はここまで。それでは、また!

(※)この話はPodcastでも話をしています。音声で楽しみたい方は以下よりお楽しみください。

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この記事を書いた人

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滝川 徹

「30分仕事術」考案者。Yahoo!ニュースやアゴラに記事掲載多数の現役会社員。作家。タスク管理の専門家・セミナー講師。

1982年東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけに独学でタスク管理を習得。2014年に組織の残業を削減した取り組みで全国表彰。2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。

時間管理をテーマに2018年に順天堂大学で講演を行うなど、セミナー講師としても活動。受講者は延べ1,000名以上。月4時間だけ働くスタイルで4年間で500万円の収入を得る。著書に『細分化して片付ける30分仕事術(パンローリング)』他。

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