「残業ゼロ」に必要なものはタスク管理の技術ではない

「残業ゼロ」を達成するために大切なことは?

そう聞かれたら、僕は「仕事の優先順位のつけ方」と答えるでしょう。

なぜなら、残業ゼロを達成するということは9時から17時まで働くとして、労働時間を8時間と決めることからはじまります。

自分がやらなければならないタスクから、今日やる8時間分のタスクを取捨選択すること。これこそが優先順位をつけていくことにほかならないのです。

その中で特に大切なのは、「今日中に絶対やらなければならない仕事」を抽出することです。

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あなたの「今日中に絶対にやらなければならない仕事」はいくつある?

大きな枠で考えれば、今日あなたがやる仕事は以下の3つに分類できます。

  • 今日中に絶対やらなければならない仕事
  • 毎日行うルーティン業務
  • その他の仕事

この中で一番大切になるのは、「今日中に絶対やらなければならない仕事」です。

よく誤解している人がいるのですが、これは「今日やりたい仕事」ではありません。例えばお客様に連絡する約束をしているものなど、今日やらなければ苦情になったりする仕事を言っています。

試しに今日、仕事に取りかかる前に「今日中に絶対やらなければならない仕事」を紙に書き出してみてください。

あなたはいくつくらい、タスクがありましたか?

毎日定時に帰れる理由

おそらく多くの人が、2個か3個なのではないでしょうか。

今まで色んな人にタスク管理を教えていますが、皆さん概ね1〜2個というところです。そう考えると、毎日定時に帰れる気がしてきませんか?

極端に言えば、この2〜3個の仕事を完了させれば、今日は帰れるということなのです。

もちろん、ルーティンも大切な仕事です。しかし先程の「今日中に絶対やらなければならない仕事」と、ルーティンを終えたら「帰ってもいい」ということ。

まずこの事実を知ることが大切なのです。

「そうは言っても、そんな風に帰っていたら仕事が溜まってしまってとんでもないことが起きる」。

あなたの言いたいことはわかります。

僕自身も昔はそう考えていました。残業ゼロを達成する人はみんな、たった一つの方法でその不安を払拭していったのです。

1日30分からはじめる

残業ゼロを実践している人は、「明日は明日の風が吹く」というマインドで働いているのです。

逆説的ですが、「とんでもないことが起きる」という不安を払拭するには、実際に早く帰ってみて、「とんでもないことは起きない」と体験するしか方法がないのです。

いきなり今日から残業ゼロにするというのはあまりにも非現実的です。サラリーマンに明日独立しろと言うのと等しいでしょう。

しかし毎日30分早く帰るようにしてみたらどうでしょう?

それなら多少不安はあるものの、できそうな気がしてきませんか?

そうしてそれを実践することで、「30分早く帰ってもなんとかなる」ということを体験してほしいのです。そうすれば、「次もう30分早く帰ってみよう」という気持ちになります。

意外にも、残業を減らすのに役立つのはそうした勇気なのです。タスク管理の技術が最重要ではないのです。

必要なものはタスク管理の技術ではなく、「体験」

「やってみたら、できた」。

こうした「大丈夫だった」という体験こそが、僕達を前に進めます。大切なことはこうした勇気であり、体験なのです。タスク管理の技術ではないのです。

タスク管理の技術があっても、マインドが変わらなければ残業を減らすことはできないからです。それは僕自身が嫌というほど、体験しています。

タスク管理の技術をつけたら、残業がなくせるわけではないのです。残業をなくそうと「先に決める」から、タスク管理の技術が役にたつのです。

精神論だと思うでしょうか?

しかし実際に残業ゼロを達成した人は、みな同じことを言っています。

世の中、評論家はたくさんいるのです。しかし一番説得力があるのは、やはり実際にそれを達成した人の言葉なのではないでしょうか。

そういう意味では、残業を減らすということは簡単ではないのかもしれません。それは仕事のやり方が問題ではなく、「残業をしない」というあなたの強い気持ちが問われるからです。

他人から何を言われようと、何が起きようと、残業を減らす。その覚悟が問われるからです。

やろうとさえ思えば、今日からでもできます。やるか、やらないか。決めるのはそれだけなのです。

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この記事を書いた人

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滝川 徹

「30分仕事術」考案者。Yahoo!ニュースやアゴラに記事掲載多数の現役会社員。作家。タスク管理の専門家・セミナー講師。

1982年東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけに独学でタスク管理を習得。2014年に組織の残業を削減した取り組みで全国表彰。2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。

時間管理をテーマに2018年に順天堂大学で講演を行うなど、セミナー講師としても活動。受講者は延べ1,000名以上。月4時間だけ働くスタイルで4年間で500万円の収入を得る。著書に『細分化して片付ける30分仕事術(パンローリング)』他。

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