仕事が忙しいのはあなたがそれを望んでいるから

「どうやって転職をすることを決意したの?」

部署が違う同僚が転職をすることになったことを聞き、僕が思わず本人に聞いてしまった言葉です。

僕自身が転職をしたことがないこともありますが、僕の会社は一般の人にとっては優良企業ですので、そうした一見「損する」行為をする人には僕自身、興味が湧いてしまうわけです。

本人から出た言葉は、ある意味、予想通りでした。その答えは一言で言えば、「考える時間ができたから」でした。

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「考える時間」で自分と向き合った

その同僚はなかなか忙しい部署にいたのですが、忙しい中、以前と比べれば少し仕事が落ち着いていた時期があったそうです。

その時期に、「自分がやりたかったことは一体なんなんだろう」と考えていた。そうして考えていたら、ある日自分が昔からやりたかったことを思い出し、再度転職活動をした。その結果見事に採用され、晴れて会社を退職することになったということでした。

話を聞くと辞める時は両親に反対されたそうです。さぞ色んな人から「もったいない」と言われたのだろうなと容易に推測できます。

しかしその同僚の決意は固く、最終的には自分が決めた新たな道を踏み出すことになったのです。

ではなぜ多くの人がこうして「考える時間」を持てないのでしょう?いや、むしろ「持たない」のでしょう?

それは多くの人が自分の見たくないことから目を背けているからなのです。

人は無意識に目の前の問題から目を背けてしまう

昔の僕もそうでしたが、忙しく働いていると、「考えなくてすむ」のです。

目の前の課題、問題、感情から目をそらすために、あなたは「無意識に」忙しい環境に身を置いている可能性があります。

「無意識に」ということが、この問題を難しくしています。毎晩のように飲み歩くサラリーマンはその典型です。

会社で受けているストレスと問題に対して、向き合うことを避けているのです。酒を飲んで酔っ払ってしまえば、目の前の問題と向き合わずにすむからです。

酒、たばこ、おいしい食事。そういった「外の刺激」に依存している人は、こうした傾向を自分が持っている可能性を疑ったほうがいいでしょう。

それらの行為は「代償行為」なのです。

「ではどうしたらいいのか?」という声が聞こえてきそうです。今の時点では、自分が目の前の問題から目を背けている可能性があることを自覚することです。

それが今後の考える時間の創出につながっていくからです。

何もしない時間を意識的に作る

自分が目の前の課題や問題と向き合うことを自分が避けているのかもしれない。あなたが自分のことをそう思えるとしたら、きっとこれからあなたの人生はよくなるでしょう。

なぜなら今の現状をあなたは「自覚」したからです。これからは少なくとも「無意識に」忙しくしたり、お酒を飲み歩くことはなくなっていくでしょう。

後はとにかく何もしない、ボーッとする時間を確保することです。休暇をとって、温泉にでもゆっくりつかることです。

そうして自分の内面と向き合った時、自分が本当にやりたかったことに気づくのです。

方法はいくらでもあります。とにかく「考える時間」を確保することです。それは「忙しい今の仕事」とやらより、長い目で見れば人生にとっては大切なことなのですから。

いずれにせよ、勇気を出して新しい人生へ一歩踏み出す同僚を心から祝福するとともに、エールをおくりたいと思います。

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この記事を書いた人

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滝川 徹

「30分仕事術」考案者。Yahoo!ニュースやアゴラに記事掲載多数の現役会社員。作家。タスク管理の専門家・セミナー講師。

1982年東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけに独学でタスク管理を習得。2014年に組織の残業を削減した取り組みで全国表彰。2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。

時間管理をテーマに2018年に順天堂大学で講演を行うなど、セミナー講師としても活動。受講者は延べ1,000名以上。月4時間だけ働くスタイルで4年間で500万円の収入を得る。著書に『細分化して片付ける30分仕事術(パンローリング)』他。

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